今月の「古楽の楽しみ」2013年09月08日 08時26分34秒

ぎりぎりのご案内になってしまいました。今回は、詩篇曲(部分への作曲も含む)の特集です。番組のために集めているCDに詩篇曲がたくさん入っているので、じゃあ特集しよう、ということになりました。力作が多く、当時の礼拝および教会音楽における詩篇の重要性を痛感します。

9日(月)。シュッツの第19篇〈天は神の栄光を語り〉(Geistliche Chormusikから)を冒頭に置きましたが、これがすばらしい。ラーデマンの指揮です。シュッツからはもうひとつ、Symphoniae sacrae第3巻に含まれる第13篇。次にシャインで第39篇、スウェーリンクのオルガン曲をはさんで、ハマーシュミットの第8篇(←バッハ《ヨハネ受難曲》冒頭合唱曲のもとになったもの)。隠れた名曲と呼びたいのがフェルチュの第1篇。最後にクーナウの第31篇です。

10日(火)。シャイトの第66篇で始め、ドゥリヒウスの第84篇、第96篇と第93篇を使ってのブクステフーデとパッヘルベルの比較、シェレの第51篇と来て、最後はカイザーの《詩篇第62篇について》という作品で締めました。

11日(水)は、百番台。ここには夕べの祈り(晩課)を構成する詩篇が集中しているので、《涙とともに種蒔く者は》をシュッツの2つの作曲で聴いた後は、ビーバー、ファッシュ、トゥンダー、クニュプファーの作品によって、晩課の流れを作ってみました。〈ディクシト・ドミヌス〉〈ラウダーテ・プエリ〉等々の曲たちです。

12日(木)は、バッハ。詩篇テキストによるカンタータ第196番と第131番を枠組みとし、オルガン曲〈深き淵より〉とモテット〈主をたたえよ、すべての異邦人よ〉(偽作?)で構成しました。演奏は196がアラルコン、131がヘンゲルブロックです。

有名曲が少ないので渋い週になりましたが、内容は多彩にして豊かです。どうぞよろしく。