ワーグナーに回帰中2014年07月17日 00時57分19秒

8/1のモンテヴェルディ・コンサート、マスコミに取り上げられることもない、ささやかなコンサートです。しかしご紹介すると関心をもっていただけるようで、今日も朝日カルチャーセンター新宿校で何人ものお客様にご来場いただけることになりました。ありがたいことです。 

その朝日新宿の、ワーグナー講座。今は《神々の黄昏》の第1幕をやっています。レファレンスにはバレンボイム/クプファーのバイロイト盤を使っていますが、今日は比較のためにルイージ/ルパージュのメト盤と、ブーレーズ/シェローのバイロイト盤を鑑賞しました。大衆志向、「皆さんよっていらっしゃい」というメト盤と、シリアスな探究のバイロイト盤の違いは絶大。それにしても、DVDにリメイクされたブーレーズ/シェローのすばらしさは格別で、いまでこそわかるその歴史的価値、という感じです。パレンボイム/クプファーもよく、クプファー演出による秋の新国立劇場《パルジファル》が、楽しみでなりません。 

ワーグナーに回帰している昨今ですが、日本ワーグナー協会の機関誌『ワーグナー・シュンポシオン』の最新号が送られてきました。私はここに、完結した注解付き協会訳台本全10巻(白水社)の書評を書いているのです。膨大な時間を費やして完遂された画期的お仕事の書評は重荷以外の何ものでもなく、苦労しました。立場上避けられない、と思っての作業でした。 

たいへん勉強になる作業でしたが、それなりに自分の意見も生まれ、結果として、相当な私論に。書きすぎたかなとも思い、気にしていました。開いてみると編集長から「独自の識見に基づいた、読み応えのある重厚な書評」というご紹介をいただき、安堵したところです。「重厚」という言葉をいただいたのは、これが初めてです(笑)。

だからというのではありませんが、ワーグナーの研究情報の満載されているこの機関誌、非会員でも購入できますので、ご紹介しておきます。1990年代に、私が編集長を務めていた雑誌です。