8月のCD2015年08月21日 09時21分07秒

《イタリア歌曲集》はロマン的オペラ風ではなく古楽の様式で聴きたいと常に思っていますが、波多野睦美さんの最新録音は、まさにその領域(ソネット)。さっそく選びました。

カッチーニの《アマリッリ》に始まり、モンテヴェルディの《死なせてください》、スカルラッティの《すみれ》等を経てヘンデルの《泣かせてください》に至る選曲がまずいいですね。有名どころがもれなく入っています。

演奏は、曲とピュアな向き合った印象のもので、「多彩な情感をしのばせる歌唱が、しみじみと心を温めて」くれます。西山まりえさん、懸田貴嗣さんらが顔を揃えた器楽との交流もよく、とても楽しみました。

もうひとつ感心したのが、ブルーノ・カニーノがイタリアの美術館(もと教会)で録音した「プレイズ 西村朗」(フォンテック)というピアノ曲集。西村さん特有の宗教的幻想が光溢れるイメージで再現されていて秀逸。いい出会いだなあと思います。