分ければ太陽2015年09月18日 07時36分17秒

いずみホールには、「ランチタイムコンサート」というシリーズがあります。同名のシリーズもちらほら見かけるようになりましたが、いわば、その草分け。平日の11:30から13:00ぐらいまでコンサート、そのあとは、ホテルニューオータニその他で、ゆっくりお食事していただこうという趣向です。

幅広いジャンルにわたる多彩な出演者を、日下部吉彦先生がまとめてくださり、楽しいコンサートが続いてきました。この15日(火)は先生がお休みでしたので、私が代わりに司会を。嬉しいことに、大谷康子(ヴァイオリン)、藤井一興(ピアノ)という豪華な出演者です。

早朝のリハーサル。ヴァイオリンの最初の1音がオルガンのようにホールに響きわたったのにまず驚嘆。ストラディヴァリ「エングレマン」の威力はこれか、と思いました。大谷さんの演奏は純粋にしてスケールが大きく、造形力が並外れています。ベートーヴェンのソナタはシンフォニーのごとく響きますし、ロマ系の技巧曲は、快刀乱麻で盛り上げる。それを藤井さんのピアノが、一体感のある音色(注:ふつう一体化しない)で完璧にサポートしてゆく。会場は爆発的に盛り上がりました。

大谷さんとはサントリーの復興支援事業でご一緒していますが、何事にも全力投球される献身的な方だと痛感していました。このためひっぱりだこのご多忙で、いつ眠るのだろうか、ということが、音楽界の七不思議に数えられるとか。サイン会など当日のファンサービスも、体当たりでやっておられました。

太陽、月、星に分ければ、太陽のタイプ、お人柄の印象は明るく純真、天真爛漫、というのが衆目の一致するところだと思います(音楽と同じ)。しかし驚くのは、マイクを向けたときのお話が理路整然としていて、演奏と同様、しっかり筋が通っていること。すごいですね。脱帽の気持ちを抱きつつ、お別れしました。

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