見本できました2015年12月14日 17時36分25秒

クリストフ・ヴォルフ著のモーツァルト本(日本語タイトル『モーツァルト最後の4年~栄光への門出』、今日、見本ができてきました。週末から来週初めにかけて、本屋さんに並ぶそうです。春秋社。値段は2500円+税になりました。


作業を終えてみて、自分にとって勉強になった、というのが最大の実感です。

この本は、註を見ればわかるように、近年の世界のモーツァルト研究を幅広く凝縮し、その上に立って、新しいモーツァルト像と、種々の作品解釈を提示したものです。私がモーツァルトをやっているとはいっても海外の文献を逐一当たっているわけではありませんから、この本を細部まで読み、訳を何度も見直すことによって膨大な情報を咀嚼できたのは、たいへんありがたいことでした。ヴォルフ先生、すごいです。

本書のための特設ウェブサイトというのがあります。未完に終わった室内楽曲の自筆譜が閲覧でき、その音源も置いてあります(ブラウザはIE仕様なので注意)。本書の第6章にそのくわしい解説がありますが、「断章」の完成度の高さは驚き。興味のある方はご覧ください。

http://www.people.fas.harvard.edu/~cwolff