今月の「古楽の楽しみ」2015年12月07日 15時52分31秒

今月は、バッハのヴァイオリンとチェンバロのためのソナタBWV1014~19を、若干のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタを加えて特集しました。新しい録音もずいぶん出ていましたので、演奏が重ならないように幅広く構成しました。

12月14日(月)は、第1番ロ短調BWV1014をバンキーニで、第2番イ長調BWV1015をカルミニョーラで。残った時間に、通奏低音付きのソナタト長調BWV1021をトリオ・ソネリーで、同じくホ短調BWV1023を、エレーヌ・シュミットで。この日は全部バロック・ヴァイオリンです。

15日(火)は、第1番のモダン・ヴァイオリン演奏から。奏者はフランク・ペーター・ツィンマーマンです。次はバロック・ヴァイオリンに戻り、第3番ホ長調をアンドルー・マンゼで。ここでラレード+グールドによるその第2楽章をはさみました。有名な第4番ハ短調BWV1017は、ムローヴァ+ダントーネで(バロック・ボウ、バロック・ピッチ)。

16日(水)は、第4番をラレード+グールドでもう一度聴き、そのシチリアーノ編曲(byストコフスキー)と、アダージョ編曲(by小糸恵)を紹介しました。第5番ヘ短調BWV1018は、古楽側の往年の名演、クイケン+レオンハルト。最後に通奏低音付きのソナタヘ長調BWV1022を、ヘーヴァルトの新録音で。

17日(木)は、複数の稿で遺されている第6番ト長調を、初稿BWV1019aと改訂稿BWV1019で比較しました。前者がポッジャー+ピノック、後者がブンディース+高田泰治です。最後に、BWV1020ト短調のソナタ(偽作)を、ゲーベルのバロック・ヴァイオリン演奏で加えました。普通フルートで演奏されますが、ヴァイオリンもなかなかいいですね。

というわけで、ピリオド対モダン、古い録音対新しい録音の大混戦、という感じの構成になりました。でも、それぞれに面白いです。モダンの名手がバロック奏法を理解して採り入れた場合、さすがに立派な結果が生まれるように思います。