最後の桜2016年04月13日 10時48分05秒

月曜日から、聖心女子大の授業が始まりました。長く非常勤を務めさせていただいた大学の、最後の年です。

聖心女子大は、広尾にあります。私のルート(往路)ですと、地下鉄を降りて商店街を抜け、小さな門を入る。そこからかなり階段があり、たどり着いた建物の3階に、哲学研究室があります。この標高差が、案外大きい。私は山登りをやっていたので上り下りは平気なのですが、あわてていたりすると、息が切れます。

研究室の副手さん方に温かく迎えられ、支度を済ませて教室へ。これがまたかなり離れていて、聖母マリア像の佇む聖堂の脇を抜け、別校舎の地下にある音楽室まで行きます。そこに学生さんたちが詰めかけていました。

まずすることは、抽選です。音楽室の座席が60しかないので、抽選をして、受講生を決める。私は抽選とかあみだくじとかが好きな方ですが、受講生を決める抽選は、辛いものがあります。落ちた学生さんが、荷物をまとめて去って行くからです。まあしかし神様ないし仏様の思し召しと考えて、後ろ姿を見送ります。でも、ツキの論理があります。私の授業に出なかったからこそ恵まれる別の出会いが、きっとあることでしょう。

こういうこともありますので、授業を一生懸命やらなくては、という思いが募ります。聖心での1年目に、よき弟子に恵まれました。その弟子は国音大学院でモーツァルト研究を専攻し、いま上野学園に勤めています。そんなことを思い出しながら岐路(別ルート)につくと、伝統美あふれる校庭に、八重桜が爛漫と咲いていました。桜は、見納めだと思います。