重版出来!(ドラマではなく)2016年06月07日 13時46分39秒

クリストフ・ヴォルフ著、拙訳の『モーツァルト 最後の四年~栄光への門出』(春秋社)、6月10日付けで、第2刷の刊行に至りました。皆様のおかげです。ありがとうございました。

著訳者にとって、第2刷の刊行は、初版に生じた誤りを修正する、またとないチャンスです。万全を期すべく見直し、25ページに修正を入れました。修正にあたっては、刊行後何人かの方からいただいていたご指摘が役に立ちました。御礼申し上げます。とりわけ佐々木健一さんからは、細部まで読みを入れた上での慧眼のご指摘・ご助言をあまた頂戴しました。ご友情に、心から感動しております。

修正のうち、文言の改良や文章の調整については煩雑になりますので割愛させていただき、内容にかかわる誤りや必要なお知らせについて、以下に記述しておきます。

・断章自筆譜の見られるWebsiteが、春秋社のオフィシャルサイト内に設置されました。アドレスはhttp://www.shunjusha.co.jp/news/2016/sizenfu2016.htmlです。作成者である柴田文彦さんのプロフィールを、本の末尾に加えました。

・75ページの註40に「2690フロリーン」という高額の家賃が記されていますが、これはアルンシュタイン家の所有する所室全体に対するものです。そのうち四階の一部をモーツァルトが借りた、ということになります。

・193ページ、《レクイエム》キリエ・フーガの原曲は、《デッティンゲン・アンセム》HWV265です。これは影響の大きい間違いですので、春秋社のサイトでも掲載していただきました。私の責任であり、気づいたときには顔面蒼白になりました。申し訳ありません。初版お持ちの方、ぜひご修正ください。

・翻訳協力をしてくださった越懸澤麻衣さん、ご協力いただいた時点ですでに、東京藝大楽理科の助手であられました。お詫びして訂正します。

・文献表の脱落を補い、若干増補しました。第4章註138(ワーグナーの《魔笛》論)は、第三文明社の『ワーグナー著作集5』で参照できます。

以上、よろしくお願いします。