今月の「古楽の楽しみ」2016年07月05日 23時23分35秒

 合唱コンクールに行くとじつに多いのが、〈グローリア〉による自由曲です。賛美のテキストが、現代でなおたくさん作曲され、歌われているんですね。バッハ周辺の探訪を兼ねて、今月は「ドレスデンのグローリア」という特集を組みました。

11日(月)
 グレゴリオ聖歌 キリエ&グローリア ソレム聖歌隊
 シュッツ リタニア ラーデマン指揮 ドレスデン室内合唱団
 ハスラー ミサ《ディクシト・マリーア》から ヘレヴェッヘ指揮
 ハイニヒェン ミサ曲第11番から、第12番から ラーデマン
  2つのオーボエのための協奏曲ホ短調 フィオリ・ムジカーリ 
(〈キリエ〉が先行してこその〈グローリア〉ですので、まず〈キリエ〉から出発しました。ちょうど、ソレム聖歌隊の全集を安く入手。これを使いました。シュッツはラーデマンの全集に含まれるもので、典礼グローリアではなく、リタニアです。偽作説もある曲ですが、美しさにうっとりしてしまいます。
 ハスラーはドレスデンで最後を飾った人ですが、ドレスデン・グローリアの盛期は、まさにバッハの時代。その先陣を切ったハイニヒェンのグローリア2曲と、器楽曲を最後に置きました。なかなかの曲で、バッハに似ているところがけっこうあります。)

12日(火)
 ロッティ 《聖クリストフォリのミサ曲》から パーマー
       《叡智のミサ曲》から ヘンゲルブロック
 ヘンデル トリオ・ソナタト短調、同ホ長調から アンサンブル・ディドロ
 (ハイニヒェン時代の花形は、ヴェネツィアからやってきたロッティでした。彼のミサ曲は、ゼレンカの編纂によってドレスデンに伝えられています。ヘンデルの作品は、ドレスデンの祝祭のために書かれたのではないかと推測されているもの。ヘンゲルブロック以外は最新録音です。)

13日(水)
 バッハ 《ロ短調ミサ曲》から ラーデマン
 (ドレスデン・パート譜によるラーデマンの演奏をご紹介し、残り時間に、自筆スコア版との比較を入れました。二重唱のスコア版はラーデマン盤の付録から、バス・アリアと最終合唱は、ガーディナーです。)

14日(木)
 ゼレンカ 《御子のミサ曲》から ベルニウス
       《父なる神のミサ曲》から〈ドミネ・フィリ〉 ベルニウス
 ナウマン ミサ曲第18番から コップ指揮 新ケルナー歌唱協会
 (締めはやっぱりゼレンカ。最後に、古典派のナウマンを加えました。)

コメント

_ taisei ― 2016年07月11日 20時55分16秒

今朝のハイニヒェン ミサ曲第11番と12番のグロリアの充実ぶりや美しさにびっくりしました。曲がよいのかラーデマンの指揮がよいのかそれすらもわかりませんが知識も曲も知らない中で聴いたのでバッハの曲かと思えるほどでした。こういう中でバッハの曲も生まれてきたのですね。

_ taisei ― 2016年07月13日 12時34分14秒

昨日のロッティは響きが清澄な感じで聴いていました。イタリア出身と聞いて「やはりイタリアの作曲家はあ「明るい」響きがするもんだなぁ」と一人納得していました。今日のロ短調ラーデマンのCDを買い求めましたがなぜ同じ曲が2度は言っているのかよくわからなかった(私の耳はこんなものです(笑))のですが、教授の今日の説明で版が違うので入れていることがわかり納得、改めて聴き直してみます。

_ I招聘教授 ― 2016年07月14日 00時40分33秒

taiseiさん、感想、励みになります。《ロ短調ミサ曲》成立の環境として見ると、ドレスデンもたいしたものですよね。

_ 久美 ― 2016年07月14日 09時36分35秒

taiseiさんのコメント拝見して少し安心。昨日はわたしもちょっと必死になりました。先生がせっかく聴き比べてみましょうとおっしゃってくださっているのに、違いがわかりません(泣)録音にトラックマークつけて交互に何回も聴いてもわかりません。フルートと二重唱のやつです。わたしの場合はtaiseiさんとは別格のわからなさですね(笑)でもこんなことして遅刻しそうにまでなって楽しんでます。先生、今週もありがとうございました!

_ I招聘教授 ― 2016年07月14日 12時07分08秒

たしかに、放送だと違いがわかりにくかったかもしれませんね。違いは2点です。フルートがソロか、2本のユニゾンかということ。それから、リズムが複付点か均等割かということ。移動ドで書くと、ドーシラソー・ファラソファミソファの後半が、「ラソー/ファミー/ソファー」となります。

_ taisei ― 2016年07月14日 22時39分28秒

圧巻のゼレンカ!でした。ハイニヒェン、ロッティ、ゼレンカと聴き比べると(私の先入観もあるかもしれませんが)中欧チェコの重厚な音楽という気がしました。ただ、やはりバッハの凄さは抜きんでているかと改めて思います。これは聴きなれた曲とそうでない曲の違いによるだけなのかは微妙な問題が(名曲とそうでない曲の違いは何か)はらんでいるようにも思いますが・・・。
 版の違い:聴き直してよ~くわかりました(笑)
※7/13の投稿「同じ曲が2度は言っている」は「2度入っている」の間違いでした(汗)

_ I招聘教授 ― 2016年07月15日 00時27分37秒

ご反響をいただいて、企画に凝りたい気持ちが増してきました。いま、10月の企画を考えているところです。taiseiさんのことは、いつもドイツで思い出していましたよ。がっかりされているだろうな、とか(笑)。

_ taisei ― 2016年07月18日 19時12分11秒

パソコンの調子が悪くお応え出来ず失礼しました。そんなに「いつも」気にして頂いて下さって有難うございます(笑)旅行記読みながら「いつになったら珍道中になるんや?」と思って待っておりました(笑)残念至極ですが今回は座席のエピソードが「落ち」になりましたね(笑)国内でもあちこち行かれてるのでまたまだ期待しております(笑)

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