ソノシート ― 2008年07月09日 23時52分01秒
自分の若かった頃を、今の若い人が研究している、というシチュエーションに出会うようになりました。若い人は当然文献から入るわけで、実感はもっていない。こちらは実感ありありで、そのギャップが面白いです。
そんなとき、オレはそのとき生きていたんだぞ、と威張りたくなりますが、考えてみると、どこまで時代全体を公平に知っていたか、怪しいもの。狭い環境で、自分の関心を追い求めていたに過ぎないからです。そういう意味では、しっかり研究してもらうことで、かえって時代が公平にわかる、ということがあるのかも知れない。大いに研究していただきたいと思います。
学生の発表の中に、「ソノシート」というアイテムが出てきました。学生は、昔そういうのがあったらしい、というスタンスでやっています。でもわれわれはたちまち、なつかし感覚になってしまう。安価なメディアとして急成長したが、限界も多く、長続きしなかったものです。
雑誌の付録に、よくついていたのではなかったでしょうか。私が強烈な印象にあるのは、小学生の頃、雑誌の付録についていたプレーヤー(!)を組み立てたことです。こんなおもちゃみたいなもので音が出るとは信じられず、半信半疑で鳴らしてみると、「京の五条の橋の上、大の男の弁慶が」と、歌が聞こえてくるではありませんか。そのメディアが、ソノシートでした。赤いペラペラのディスクで、いかにも安っぽかったのを思い出します。
〔付記〕意外にこれが、のちのレコード熱の第一歩だったのかもしれません。
最近のコメント