振り子状態 ― 2008年07月31日 22時50分58秒
すばらしい音楽に触れた興奮と、その反対の落胆と。今週はその両極を行ったり来たりしています。コンサートは、本当にさまざま。なにもそこまで、というほど磨きをかけられた演奏もあれば、この程度でいいだろうと見切りをつけているとしか思えない演奏もある。要は良識の差で、受け手の印象は、何倍にも違ってきます。
悪い目が出たときに批評に当たると、やっかい。とても辛い思いをします。でも読む方はどうやら、酷評に興味を持たれるのですね。すばらしかった、批評に書きます、と言うと話はそこで終わるのに、ひどかった、でも書かなくちゃ、と言うと、ぜひ読ませてください、となりますから(笑)。
思うにそれは、辛口の批評が少ないからかもしれません。切り捨て御免の批評の弊害はつねに指摘されますが、迎合的な批評の弊害も、長い目で見ると、大きいのではないでしょうか。とくに、宣伝が行き届き、大金が動いているようなイベントに対して甘口で対応するのは、批評の自殺行為です。もちろん批評するこちらが正しいとは限らないわけですが、私は自分なりに極力吟味した上で、理由を明示し、書くべきことは書くようにしています。いずれにせよ、上述した「良識の差」は、知名度、メジャー度と関係がない、というのが、繰り返し抱く実感です。
めったに来ない都市に今日はいますので、コンサート後、町をぶらぶらしました。でも演奏の記憶が残り、楽しくありません。昨夜の東京カルテットの演奏が、すばらしすぎたためでしょうか。
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