振り子状態 ― 2008年07月31日 22時50分58秒
すばらしい音楽に触れた興奮と、その反対の落胆と。今週はその両極を行ったり来たりしています。コンサートは、本当にさまざま。なにもそこまで、というほど磨きをかけられた演奏もあれば、この程度でいいだろうと見切りをつけているとしか思えない演奏もある。要は良識の差で、受け手の印象は、何倍にも違ってきます。
悪い目が出たときに批評に当たると、やっかい。とても辛い思いをします。でも読む方はどうやら、酷評に興味を持たれるのですね。すばらしかった、批評に書きます、と言うと話はそこで終わるのに、ひどかった、でも書かなくちゃ、と言うと、ぜひ読ませてください、となりますから(笑)。
思うにそれは、辛口の批評が少ないからかもしれません。切り捨て御免の批評の弊害はつねに指摘されますが、迎合的な批評の弊害も、長い目で見ると、大きいのではないでしょうか。とくに、宣伝が行き届き、大金が動いているようなイベントに対して甘口で対応するのは、批評の自殺行為です。もちろん批評するこちらが正しいとは限らないわけですが、私は自分なりに極力吟味した上で、理由を明示し、書くべきことは書くようにしています。いずれにせよ、上述した「良識の差」は、知名度、メジャー度と関係がない、というのが、繰り返し抱く実感です。
めったに来ない都市に今日はいますので、コンサート後、町をぶらぶらしました。でも演奏の記憶が残り、楽しくありません。昨夜の東京カルテットの演奏が、すばらしすぎたためでしょうか。
コメント
_ N市のN ― 2008年08月01日 00時20分33秒
_ I教授 ― 2008年08月01日 02時45分51秒
私の言う、音楽の神様に献身する演奏でしたね。けっして派手ではないのに、そのすばらしさをお客様が皆さん理解して、温かい拍手を贈られていたのにも感動。ご来場、ありがとうございました。
_ 優@背番号1&6&12&22&25&80 ― 2008年08月01日 18時09分25秒
警告!!
先生こんにちは。
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書き込みはあらためて後ほど。
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_ fylgia ― 2008年10月06日 22時38分32秒
初めてコメント書かせていただきます。7月のいずみホール東京クヮルテットの演奏に感動いたしました。
とくにハイドンop.76-1の第2楽章の美しかったこと!!そしてアンコールのドビュッシー第2楽章もよかったです!!一昨日は、ハーゲンカルテットのプログラムにドビュッシーが取り上げられていてこれもまた素晴らしい演奏でした。でもこの日はベートーヴェン第14番op.131が私にとっては目からうろこというか圧巻ともいうべき演奏で、こんなに素晴らしい曲で深い曲だったのだということを改めて感じさせてくれる演奏でした。ほんとうに素晴らしい演奏会でした!
とくにハイドンop.76-1の第2楽章の美しかったこと!!そしてアンコールのドビュッシー第2楽章もよかったです!!一昨日は、ハーゲンカルテットのプログラムにドビュッシーが取り上げられていてこれもまた素晴らしい演奏でした。でもこの日はベートーヴェン第14番op.131が私にとっては目からうろこというか圧巻ともいうべき演奏で、こんなに素晴らしい曲で深い曲だったのだということを改めて感じさせてくれる演奏でした。ほんとうに素晴らしい演奏会でした!
_ I教授 ― 2008年10月07日 00時11分08秒
flygiaさん、ありがとうございます。私は伺えず、失礼しました。第14番は、弦楽四重奏曲中の最高傑作であると思います。ベートーヴェン自身もそう思っていたようですし、プレレクチャーのときにも、そういう結論に達しました。またお出かけ下さいね。
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コメント書きたくてウズウズしていました(笑)
東京SQ素晴らしかったですね!
しかし本日は残念なご様子。
こんな時は私は「いつも美味いものばかり食べていたら、美味いもののありがたみがわからなくなる。時々素晴らしく美味いものが食えればいいさ」と考えるようにしています。でも、出来れば美味しいものを後から食べたいですよね(笑)
東京SQですが、Beethovenの後期の作品の名演を聴くと、K.シルデ教授が仰った言葉を思い出します。
「Beethovenの耳が聞こえなかったということは決して悲劇ではない。なぜなら、俗世の音を聞くことなく、自身の内なる音のみに耳を澄ますことができたのだから。」
そんなop.135でした。(勿論アンコールも含め、全て素晴らしい演奏でした。)