日本流2008年10月29日 23時04分35秒

昨夜の富田庸さんの講演を聴かれた方は、至福の印象を抱かれたことでしょう。資料、とりわけ自筆譜研究の深さ、すばらしさ、そして恐ろしさを、参加の方々に、また私にも実感させて下さった2時間でした。

その富田さん、もうイギリスが長くなられましたので、日本の学生の性質に戸惑われたご様子。どんどん問いかけ、考えさせ、質問させ、意見を言わせ、という流儀でなさるのですが、学生の方は引いてしまい、最初は、誰も発言しない。当てられても黙っている(笑)。偉い先生だという刷り込みがあったのでよけいそうだったのでしょうが、ご本人は、やさしい、癒し系の方です。

でもこれ、日本流もありだと思いますよ。私自身、どんどん問いかけられたり手を挙げさせられたりするのはいやで、静かに聞き、考えたい。ですから授業でもめったに、対話方式は採りません。それが最良とは申しませんが、日本人のメンタリティに合っている以上は、悪いとも思えないのです。この日は皆さん徐々に積極的になられ、最終的には、それなりに活発なディスカッションが生まれました。やればできる、ということですね。

数日、充実した専門の勉強が続きました。今日は疲れて、完全休養。出かけるべきコンサートもあったのですが、お許しください。

コメント

_ 富田 ― 2008年11月03日 21時31分49秒

数日前に寒いイギリスへ戻ってきました。今回は礒山先生を始め、著名な先生方や熱心な学生さんと議論する、という大変貴重な機会を頂きましたが、とても楽しくかつ充実した時間を過ごすことができました。ありがとうございました。当日使用したパワーポイントのファイルは、HPへアップしてありますので、どうぞご活用ください。(エッセイ集からリンクしてあります)

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