今月のCDから ― 2009年02月20日 21時56分26秒
昨日の毎日新聞に、恒例のCDベスト3選が掲載されました。今月は選者3人の選が全部別々で、他の人の選ばれたものの中には、私の手元にないものも何点かありました。補い合った結果だと考えたいと思います。
私が1位にしたのは、アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのハイドン《四季》(DHM)。ハイドンの音楽というといつでもはつらつとして若々しいように思いますが、この演奏はしみじみムード一杯で、老年の味わいがにじみ出る趣。思えば、ハイドンも、作詞者スヴィーテンも、指揮者アーノンクールも、すべて老年ですよね。その意味で、とくに《冬》を、深く聴くことができました。
第2位は対照的に、音楽の化身のような新人を選択。平野花子さんというハーピストで、早稲田大学在学中だそうです。冒頭のバッハ/パルティータ第1番でその的確な様式感に引き込まれ、フランス系の諸曲で優雅さを満喫しました。がんばってください(ライヴ・ノーツ)。第3位は、20絃箏の巨匠、吉村七重さんの「箏歌・蕪村五句」というCDです(カメラータ)。猿谷紀郎、湯浅譲二、西村朗氏らの作品が朗々と演奏されており、新しい表現世界の広がりを味わえます。
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