経たない時間2009年02月21日 18時48分28秒

いま、入学試験中です。今日は、朝から全学を挙げて学科の試験をする日。以前は1年中でももっとも緊張する日のひとつでしたが、最近、そうでもなくなりました。ひとつには慣れたためですが、昔に比べると受験生が減ったためでもあります。

「ああ、もうこれで試験を受けなくてもいいんだなあ」と安堵した日のことを、よく覚えています。20代の終わり頃だったでしょうか。それなら、今「ああ、受験生でなくて良かった」という気持ちで感謝しつつ試験監督をやっているかというと、案外、そうでもないのです。

受験生は、いつまでもその気持ちを忘れないで欲しいなあ、と思いたくなるほど、懸命に、純粋に答案に向かっています。それに比べて、監督する方は、退屈の一語で、時間がまったく経たない。歩き回ったり、椅子に座ったりして終了を待つのですが、その間何も、やることがないわけです。もちろん試験中ですから、本を読んだり携帯を使ったりも御法度。受験生のほうが、ずっと充実した時間を過ごしていると思います。

そこから想像するに、懲役刑より禁固刑のほうが辛い、ということはないでしょうか。