9月のCD選2010年09月23日 09時48分45秒

昨日の夕刊で今月のCD選が出ましたので、こちらでも。

1位は、平尾雅子さんを中心としたメンバーによるディエゴ・オルティスの『レセルカーダ/典礼曲集』(ALM)です。新聞から引用します。「①は名著『変奏論』の訳業を終えた平尾とその仲間たちによる、16世紀スペインの音楽。行き届いた研究によって心に染みいるような美しさが醸し出され、すばらしい」。ぜひお聴きください。

DVDとしては、ユリア・フィッシャーのサン=サーンス ヴァイオリン協奏曲第3番/グリーグ ピアノ協奏曲(デッカ)を2位で取りました。CDのパガニーニもすばらしく、どちらにしようかと思ったのですが、別途お話しするような経緯で、DVDの方にしました。同じ人がヴァイオリンとピアノのソロを弾き、両方とも国際的なコンクールを取っている、というのはすごいですが、比べるとピアノが落ちるのは否めないところ。しかしヴァイオリンの造形力は突出しています。音楽に対してこれだけ確信をもって接することができるからこそ、複数の楽器に熟達できるのでしょう。

3位は、プレートルの「コンダクツ・ビゼー」です。最近のプレートル再評価はめざましく、熟年に勇気を与えるものだと思いますが、このビゼー曲集は1980年代のバンベルク響との録音が、新たに発掘されたもの。「洒落も高揚もある、魅力的な2枚組」(引用)で、《アルルの女》に感動しました。