「古楽の楽しみ」6月2011年06月13日 23時36分02秒

6月の「古楽の楽しみ」は、20日から25日までの放送です。

「バロックの森」が「古楽の楽しみ」と改題された理由は、中世、ルネサンスを含めたい、ということでした。しかしドイツは当時まだ後進国でしたから、聴くべきものが少ない。そこでしばらくバロック・オンリーで続けていました。しかし満を持してようやく、バロック以前のシリーズを作りました。

20日(月)は、中世のミンネゼンガー特集です。これを、『ニーベルンゲンの歌』(13世紀)の朗誦で始めたのが、ワグネリアンでもある、私の自慢。それに、ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ、ナイトハルト・フォン・ローエンタール、オスヴァルト・フォン・ヴォルケンシュタインを続けました。オスヴァルト、なかなかいいですね。

21日(火)は、初期の器楽です。ブクスハイム・オルガン曲集などのオルガン曲、ユーデンキュニヒ、ノイジードラーなどのリュート音楽、ハウスマン、ポッシュなどシュタットプファイファーの音楽と続けて、最後をプレトーリウスの《テルプシコーレ》で締めました。《テルプシコーレ》の開放感は、やはり格別。

22日(水)は多声声楽曲で、ハインリヒ・フィンクとハインリヒ・イザークのミサ楽章、モテットを集めてみました。イザークの美しさはもちろんですが、ドイツ最初の声楽ポリフォニー作曲家というべきフィンクの音楽はなかなかで、聴いていただく価値があると思います。ホーフハイマーのオルガン曲も、この日にはさみました。

23日(木)は、ルネサンス・ポリフォニーの代表者であるゼンフルで始め、初期のルター派教会音楽(ヴァルターなど)を概観し、最後をラッソで締めました。グレゴリオ聖歌にドイツ語を当てはめたミュンツァーの聖歌が珍しいと思います。農民戦争のコワモテ・イメージと違いますよ。

24日(金)は、宗教改革からバロックへの移行期の特集。エッカルト、ハンス・レオ・ハスラー、ヤーコプ・ハスラー、メルヒオル・フランクを取り上げました。ハンス・レオ・ハスラー、いいですね!シュッツ以前の最高のドイツ音楽かもしれません。

というわけで、私もたいへん勉強になりました。よろしくお願いします。

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