学んだこと2012年01月07日 23時48分44秒

新年早々の難関と認識していた6日、7日の講演3連チャン、乗り切りました!前門の虎、後門の狼といいますが、虎に当たる、日本合唱指揮者協会の講演についてご報告します。

一番前で聴いていた音楽学出身の弟子に「先生、緊張していましたね」と見破られたほど、じつは緊張していました。専門家の方々の前で「バッハ研究家の指揮者論」などというテーマを掲げてしまい、「釈迦に説法」という言葉がたえず脳裏に浮かんでいたからです。総会開催中待機していましたが、ふと気がつくと、靴下のくるぶしのところに、大穴が開いている(汗)。犬の顔を思い浮かべ、弱ったなあと思いましたが、そこで皆様、私の理論です!これはツキを温存する、吉兆なのではないか。いずれにせよ、穴が見えないように立ちまわらなくてはなりません。

準備は、音源や映像に至るまでしっかり済ませてあり、プリントも配布。そこで話を始めました。しかしその内容というのが私の最近の考えを反映していて、カリスマ指揮者対オーケストラという20世紀的形態に対する疑問が、随所に反映されているのですね。「指揮者の功罪」とか、「モーツァルトの協奏曲に指揮者は必要か」といった項目が出てきます。こんなこと言っちゃっていいのかなあ、と絶えず思うのですが、舌鋒がどんどん鋭くなって、ブレーキが利かない(笑)。今から考えると、聞き手の方々に乗せられていたのだと思います。私の論点には皆さんすでに意識をもたれていて、食い入るように、聞いてくださったのです。

終了後、人生でもそう何度もなかったと思われる、長く心のこもった拍手をいただきました。感激。懇親会で先生方とお話しし、私が気づかなかったことも、いろいろと勉強できました。で、本当に思ったのは、こうした講演のときにはやはり自分の問題意識を率直にぶつけるべきだ、ということ。当たり障りなくエールを贈るより、絶対そのほうがいいですね。問題提起をすることで始まる議論が大切だし、そういう内容を求めて、皆さん付き合ってくださっているとわかりました。

その意味では、聞いてくださった方々のお力で、盛り上げていただいたと思っています。先に向けて、勇気を得ました。