寿命の縮まる定期めぐり2012年04月27日 11時39分56秒

26日(木)はNHKの収録(5月放送分)。ちょうどいいので、その晩N響を聴こうと思い立ちました。オケ定期めぐりの第2弾、指揮者はロジャー・ノリントンです。

しかし時間が空いてしまいます。そこで床屋に行くことにし、三越前の「イガラシ」を往復。NHKから渋谷への坂を下り、また登って、NHKに戻りました。

ホールについてみると、灯が消えて、ひっそりしています。仰天して調べると、果たせるかな、当日の会場はサントリーホール。チケットをお願いした手前遅れては申し訳なく、気の動転したまま、タクシーを拾いました。なんとか2曲目から聴けましたが、本当にこんなことばかりで、いやになります。寿命、少しずつ縮まっているのではないでしょうか。

2曲目は、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。ソロは河村尚子さんです。セッティングを見ると、蓋を外されたピアノが、鍵盤をこちらに向けて直角に置かれています。オーケストラがそれを囲むようになっている。一瞬、指揮者なしで演奏するのかと思いました。しかしそうではなく、指揮者は中央の奥に立って、親密な媒の趣きで、しっかり指揮をしていました。

この配置はソロとオケのコラボレーションには利点があると思いますが、ピアノの響きが向こうに行ってしまうのと、ソリストをたえず背中から見ることになるのが欠点です。アリーナ型のサントリーホールだからこそあり得た発想でしょうか。

後半は、ブラームスの第2交響曲。ノリントンの指揮は、オーケストラを外から、距離をとって見つめているようなところがあります。私は第2交響曲好きなのでもっと素直なロマンがあふれて欲しいなあと思いつつ聴いていたのですが、小松長生さんのおっしゃる「楽員が没入して、音楽が帆にいっぱい風をはらんだ状態」は、フィナーレに至って完全に実現されていましたね。N響のブリリアントな合奏はすばらしかったです。ノリントンは、大人の風格とユーモアで、聴衆の心をしっかりつかんでいました。

個人的な疑問ですが、3拍子の3拍目が概して少し長く(とくに第1楽章)、小節がしばしば個別化する傾向があったのは、彼の感覚なのでしょうか、それとも主張なのでしょうか。後者であれば、その理由を知りたいと思います。

コメント

_ おおぐま ― 2012年04月28日 22時40分31秒

3拍子の3拍目が長いのは、解せませんね。

_ I招聘教授 ― 2012年04月29日 08時01分14秒

ですよねえ・・・。かつて間宮芳生さんが「小節のゆっくりまたぎ」傾向に警鐘を鳴らしておられたことを思い出します。同じ理由かどうかは、わかりませんが。

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