今月の特選盤 ― 2013年07月22日 11時13分00秒
今月は、アンドレアス・シュタイアーのチェンバロによる「憂鬱をやり過ごすために--ドイツ、フランス・バロック鍵盤作品集」(ハルモニアムンディ、金部インターナショナル発売)を選びました。演奏者にやりたいことの明確なイメージがあり、それがしっかり実現されている、というのが推薦理由です。
「憂鬱をやり過ごすために」というのはフローベルガーの組曲に出てくる注釈で、CDはこれを冒頭に置き、最後に同じフローベルガーのフェルディナント4世へのラメントを置く。その間に、ダングルベール、ルイ・クープラン、フィッシャー、クレランボーらのメランコリーに満ちた作品が並べられてゆきます。減衰するチェンバロの響きに当時の人が重ね合わせた憂鬱を、さらには「メメント・モリ」の思想を掘り下げようという、筋の通ったプログラムです。
演奏も鋭い突っ込みを感じさせるもので、すべてのフレーズに、意味があり主張があるという印象を受けます。文字通り、聴き応えのあるアンソロジーです。
「憂鬱をやり過ごすために」というのはフローベルガーの組曲に出てくる注釈で、CDはこれを冒頭に置き、最後に同じフローベルガーのフェルディナント4世へのラメントを置く。その間に、ダングルベール、ルイ・クープラン、フィッシャー、クレランボーらのメランコリーに満ちた作品が並べられてゆきます。減衰するチェンバロの響きに当時の人が重ね合わせた憂鬱を、さらには「メメント・モリ」の思想を掘り下げようという、筋の通ったプログラムです。
演奏も鋭い突っ込みを感じさせるもので、すべてのフレーズに、意味があり主張があるという印象を受けます。文字通り、聴き応えのあるアンソロジーです。
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