今月のCD2014年01月23日 12時16分44秒

過日、デイヴィッド・ジンマン指揮、チューリヒ・トーンハレ管弦楽団によるシューベルト《未完成》を推薦しました。同じシリーズ(RCA)の完結編として今月出た《ザ・グレート》が、劣らぬすばらしさです!続けて特選というのもどうかとは思いましたが、それに値する名演奏だと思います。

とにかくフレッシュ。77歳でこの新しさはすごいですね。贅肉をそぎ落としたシンプルな響きと生き生きしたリズムでてきぱきと運ばれ、「精霊たちが喜び勇んで舞い奏でるかのような」軽やかな《グレート》が実現しています。アンサンブルが交流にあふれているのもよく、高揚感も無類。この交響曲を熱愛するものとしては、なんとも嬉しいディスクです。

もうひとつ、西山まりえさんのバッハ《イギリス組曲》全6曲(OMF)を挙げておきましょう。新聞には「こだわりの美意識を貫くチェンバロから、麗しい優雅が立ち昇る」と書きました。イギリス組曲とフランス組曲は平素ずいぶん違うように思っているのですが、このように演奏されると、通いあうものを感じます。