感動の仕事始め2014年01月08日 10時37分02秒

須坂のカンタータ/受難曲コンサートのリハーサルをしていた時のことです。アンサンブルは演奏者自身に作っていただき、私は説明したり、要望したり、助言したりしていたのですが、ちょっと力が入って、一瞬、指揮の身振りをしてしまいました。

そうしたら、弦楽器の音がワッと寄ってきてびっくり。鳥肌が立ちました。これが指揮かとも思いましたが、私は指揮という仕事がどんなに困難かよく知っていますので、自分で指揮棒を握りたいとは思いません。ただ、このように演奏家の方々と一緒に音楽を作っていく作業には、言い知れぬ魅力を感じます。その場合、遠慮しながらというのでは、かえってダメ。踏み込んで初めて、いい結果は出るものです。そのための必須の条件は、演奏者との信頼関係です。

そのモデルケースとも言えるようなコラボレーションが、目下進行中。合唱団「CANTUS ANIMAE」との《ロ短調ミサ曲》です。1月4日、朝10時から夕方17時までやった練習が、今年の仕事始めになりました。楽しい懇親会付きで、久々に二次会まで行きました。

この合唱団、全日本合唱コンクールの東京大会で、7人の審査員が全員1位をつけた金賞を取ったとか。常識ではとうてい考えられないことで(意見は必ず割れる)、実力の証明です。全国から集まってくる団員の熱意がものすごく、音楽への取り組み方が爽やか。指揮者、雨森文也さんの情熱、信望、探究心のたまものだと思います。

企画のご相談をいただいたときに、私からは、ピリオド楽器の使用、コンチェルティストの採用という2点を提案しました。4日の練習にはコンマス(大西律子さん)と通奏低音(西澤央子、櫻井茂、廣澤麻美の皆さん)も加わり、準備が進んできました。コンチェルティスト、と口で言うのは簡単ですが、なにぶん大曲ですから、合唱のリーダーとソロを兼ねる負担は、なみなみではありません。しかし安田祥子、川辺茜、高橋幸恵、大野彰展、小藤洋平のiBACH勢がパート練習まで司ってくれる熱心な取り組みで、成果があがりつつあります。

というわけで、自分としても大事なコンサートになりそうです。3月29日(土)、渋谷のさくらホールで公演しますので、ご予定いただけると嬉しいです。