悲愴感2016年03月24日 08時41分58秒

18日(金)は、中学校部門。全国から43校が出場し、覇を競いました。

会場となった福島市音楽堂は、とても音響効果のいいところ。残響があります。お客様のまだ少ない時には、その残響がきわめて豊かです。

恐れていた「伯仲」を実感しつつ審査に入った私ですが、まもなく、この残響は大敵であることに気づきました。「伯仲」になんとか濃淡をつけようとしているのに、残響が、すべてを美しくくるんでしまうのです。いやこれはたいへんなことになった、なぜこの場に来てしまったのかと、わが身を呪う心境に陥った私でした。

うなだれつつ休憩の部屋に行くと、指揮者を中心とした審査員の先生方が盛り上がり、「レベルが高くて楽しいですねえ」と言っておられます。悲愴感漂っているのは私だけで、皆さん、伯仲のシチュエーションを楽しんでおられるようなのです。これでは、ますますうなだれざるを得ません。

しかし、そうした中からもひときわ立派に響いてくる演奏があるのですね。そこに注目することで、まずまずの結果は出せたのではないかと思います。1つだけご紹介すると、器楽も声楽も盛んという地域の特性を生かし、自前の小オーケストラとともにラインベルガーの《スターバト・マーテル》を取り上げた郡山第五中学校。深い響きでまとまった感動的な演奏で、この日の1位のみならず、全体のグランプリを獲得しました。中学生、すごいです。