「後門の狼」といいますが2016年03月30日 10時04分55秒

福島での4日間は重労働でしたが、テンションが高まっていたため、さほど疲れは感じませんでした。どっと疲れが出てきたのは、帰ってから2日後、3日後。疲れが遅れて出てくるのが、年齢の証明だそうです(笑)。

しかしそのすぐ後にも、難題が控えていました。福島のコンテストが「前門の虎」であるとしますと、こちらは「後門の狼」。それは、いずみホールで26日(土)に開催された「藤原道山 15th Anniversary 風雅竹韻」というコンサートです。

なんでそれが狼か。それは、このコンサートが「ディレクターズ・セレクション」という枠組みで企画されたため、私が建前上ホストになり、一定のトークをする役割を担っていたからです。

藤原道山さんのすばらしさは重々わかっていますが、私には、尺八のコンサートを解説する知識も能力もありません。しかも道山さんの意気込みでオール尺八、ソロから合奏までのプログラムが組まれ、藤倉大さんの世界初演曲も一つ。チケットは飛ぶように売れて満員御礼、NHKの収録も入るということになって、私は完全に追い詰められてしまいました。 いったい何をお話ししたらいいのでしょう。

幸い、道山さんがお客様相手に手ほどきをされるイベントがあるというので、前日早朝に発ち、お話を聞きました。これがまず、とてもいいお話。万事ていねいに、正確な知識をわかりやすく伝えようと気を配っておられる様子がよくわかり、お人柄に、大きな信頼を抱きました。

この日のリハーサル、当日のゲネプロと見せていただいて冒頭のスピーチとインタビューを準備し、なんとか乗り切ることができました。ほっとし、肩の荷が下りました。

スーパースターの音楽作りを間近に見られたのも幸いでした。突出した技倆、貴公子の風貌もさることながら、穏やかでていねいなお人柄が、本当にすばらしいです。人の輪が、どんどん広がっていきますね。