コンサート3日間2016年04月09日 10時34分30秒

「東京・春・音楽祭」のプログラム、本当に充実していますね。とうてい行き切れませんので、2つのコンサートを選びました。

まず6日(水)、東文小ホールでの、「若き名手たちによる室内楽の極」。長原幸太さんを中心とする室内楽の人気が高いようなので、興味を引かれ出かけました。シューベルトとベートーヴェンの弦楽三重奏、田村響さんのピアノが入ってブラームスのピアノy四重奏、という渋~いプログラム。それなのに、スケール感のある演奏で会場がぐっと盛り上がったのは、たいしたものです。

7日(木)はワーグナーの《ジークフリート》。「字幕・映像付きの演奏会形式」ということでマレク・ヤノフスキ指揮のN響がステージを埋め、アンドレアス・シャーガー(ジークフリート)を初めとする力のある歌手たちが登場しました。

ひたすら直線的に運ばれ、刺激的な音響が降り注いでくる第1幕を、私はかなり批判的な気持ちで聴いていました。しかし第2幕に入るとドラマに奥行きがあらわれ、ああこれを生かすために第1幕をあのように運んだのか、と納得。第3幕はすばらしい盛り上がりとなり、完全に圧倒されました。映像に炎の岩山が映し出され、《ワルキューレ》の〈魔の炎の音楽〉が再現してくるあたりは、まさに鳥肌ものでした。

ブリュンヒルデが目覚める偉大な場面を聴きながら、東文の会場を見わたしてみました。すると、超満員のお客様が水を打ったように、音楽に聴き入っているのですね。演奏の力、作品の力という以上に、これは音楽のもつ力そのものだなあと感嘆。元気をもらいました。

8日(金)は、セレモア・チャリティコンサート/オール・モーツァルト・プログラムの司会で、よみうり大手町ホールへ。初めて入りましたが、立派なホールですねえ。高級感あふれる、500席のホールです。司会の席は最前列の端なのですが、オーケストラの響きのふところに入って、各楽器をくまなく聴ける、という感じなのです。久元祐子さんが温かく演奏されたイ長調のコンチェルト(第23番)、優雅さの中にある陰影が、いかに絶妙のオーケストレーションによっているか、よくわかりました。

オーケストラを一企業が雇っての企画になるわけですが、高関健さん指揮する読響(トップは長原さん)のやる気と集中力はすごかった。《ジュピター》フィナーレの寄せては返す高揚感は、唖然とするほどでした。私としても、心から一体感のもてるコンサートになりました。

帰宅した知人から、新調されたスーツがお似合いだった、心なしか若々しく見えた、とのメールが。違います(きっぱり)。私が着ていたのは、☓☓☓☓の、やや着古したスーツなのです。○○○○○のものは、自宅に持ち帰った段階で、私の年齢、体型でとうてい着こなせるものではないことがはっきりしました。呆然と、遠くを見つめています。

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