ドイツ2016淡々(7)~古都へ2016年06月23日 16時50分13秒


書き忘れましたが、昨日、路上でヴォルフ先生にお会いしました。「クリストフ!変わらないね」「君もだよ、タダシ!」。Duでしゃべると、このように上下がなくなってしまいます。コーヒーを飲もうということになりましたが、今回はスケジュールが合いませんでした。

午後は、オプショナル・ツァー。例年ハレ、ナウムブルク、ヴァイセンフェルスの方角に行くのですが、今回はドレスデンを訪れて、再建された聖母教会で《ロ短調ミサ曲》を聴こう、という計画です。

それならぜひマイセンに寄りましょう、というのが、私の好み。小高いところに聳える大聖堂からのエルベ川の眺め(写真)に、皆さん、歓声を上げておられました。

陶磁器の博物館では、「マイセン焼きのパイプオルガン」を鑑賞。アウグスト侯が望んでできなかった技術が、最近ようやく可能になったのだそうです。「らしい」音は確かにしますが、本格的な演奏は、ペダルが開発されてからでしょう。居並ぶ絢爛豪華、かつ超高価な陶磁器にはあきらめの眼を向けるだけ。しかし購入されてはしゃぐ剛の方々もおられました。

ドレスデンの偉容も、初めての方には印象深かったようです。美麗な聖母教会の中に入るのは、私も始めて。明るく華やかな、バロック様式の内陣です。《ロ短調ミサ曲》の前半は、ご承知のように、ドレスデン選帝侯に捧げられたもの。合唱は聖母教会付属の合唱団、ソリストには大家クラウス・メルテンスの名前も、ということで興味を抱いて出かけましたが、なんと、ガラガラではありませんか。

演奏が始まって、その理由がわかりました。速いテンポで元気よく演奏するが、揃っていないし、一本調子。ひとりメルテンスが、格調高い美声を響かせていたのでした。

ライプツィヒ着は、夜中の12時。へとへとです。しかしホテルのバーは、2時までやっている。ちょっと疲れ安めを、といって結局元気の出てしまうのが、旅というものです(汗)。

コメント

_ 木挽町 ― 2016年06月23日 18時12分32秒

先生らしい軽妙な筆致の旅日記を楽しく拝読しております。(第6号が2回あるのは、なにかご意図があるのか、あるいはさすがの先生も少々お疲れなのかと、思ったりしております。)すこし手抜きをされてお元気に旅を締め括ってください。

_ 横浜の野々垣 ― 2016年06月23日 23時17分58秒

 14年前に私がドレスデンを訪問したのは厳寒の2月で、エルベ川のほとりの「偉容」地区を散策した時はちらほら雪が舞い、震え上がりました。聖母教会もまだ「瓦礫」状態でした。そこで《ロ短調ミサ曲》とは!そして、ガラガラとは!
 マイセンの産品は超高価ですね。もちろん、私には手が出ませんでした。ただし、その陶磁器は古く、日本から伝来の技術が基になっているそうです。

_ I招聘教授 ― 2016年06月24日 12時57分52秒

木挽町さん、野々垣さん、thさん、ありがとうございます。おかげさまで旅行の本体部分、無事終わりました。

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