野球雑感2014年10月19日 23時56分41秒

「阪神良かった」のコメント、ありがとうございます。私も一方的な展開を、快感をもって楽しみました。しかし、大阪の仕事はしていても阪神ファンではないので、高揚感はもうひとつです。むしろ、オリックスの敗退を惜しんでいます。広島は善戦しましたが、優勝するレベルには、まだ届いていません。

和田監督、良かったですね。どういうものか、野球の世界ではアマチュア評論家の辛口の度合いが音楽の比ではなく、言いたい放題に言われていたのを知っていますので。勝てば、評価も変わってくるはずです。

でも、巨人はなぜ負けるのでしょうか。もともとぶっちぎりの戦力があり、今年はそれが高まっていたはず。去年いなかったFA組の片岡、井端、大竹、新人の小林、そしてアンダーソンといった選手は、みな活躍していましたからね。ドラフトがやっと公平になったと思ったら、FAでかき集める、という手段があったとは。来年も各チームの主力が入ってくるのは、間違いなさそう。エースは、きっと金子ですね。

今日の日本ハムの逆転には驚きました。ソフトバンクに元気がありません。監督の退任が判明したら、もう緊張感は保てないのだそうです。日本ハムの稲葉、求心力がありますね。まだ打てるのに。

各チームのブログ村を回ってみると、楽天村は、新監督批判の大合唱です。なるほど。監督が何人か変わりますが、ヤクルトの小川監督、好感をもっていたので残念です。巨人の原監督は、今年の結果を見ると、続投で良かったようです。

何となく、日本シリーズへの意欲が盛り上がりません。そうか、だから「アンチ巨人は巨人ファン」と言われるんですね。自覚としては、ファンでは絶対ないですけど(笑)。

今年の夏休み&野球2014年08月12日 23時00分23秒

皆様、いま夏休みですか。これからお盆休み、という方もおられるかもしれません。私はここ数日が、仕事もお座敷もない、純粋な夏休み期間です。自分でも不思議でなりませんが、集中して勉強しています。どちらかと言えば勤勉な方ではあるのでしょうが、老後に連日これほど勉強するというのは、自分がびっくり。しかし一日やると夕食後はもう疲れて、活用できません。このあたりに、年齢を感じます。

というわけで、CSで野球を観戦、広島カープ、ダメですね。隙が多く、優勝はまだまだだと思います。30過ぎのエルドレッドが前半戦爆発的な打撃を見せましたので、世の中には「大化け」というものが本当に存在するのだと思って、感心していました。しかし、絵に描いたような竜頭蛇尾です。とはいえ、彼がスタメンから外れると、打線がまったく小さくなってしまう。ともあれエルドレッド、日本に来てよかったと思いますよ。彼の長打力と人間性に惚れ込んだ監督がマンツーマンの指導に時間をかけてくれることなど、アメリカではなかったでしょうから。

巨人は案外で、楽しませてくださいます。巨大戦力ですから、こんなはずはないんですけどね。心外のゆえか、原監督の顔に険が出てきたようです(笑)。阪神、ここで首位に出ましょう。

パ・リーグ。ソフトバンクが強すぎて、いかんともしがたいです。強打者がずらりと並ぶ上に、守りが鉄壁。後半1点リードしていれば、五十嵐とサファテで確実に勝ってしまいます。パ・リーグにも巨人を作りたくないので、他チーム、なんとかがんばってください。

サッカー素人談義2014年06月27日 01時06分48秒

皆さん、しばらくサッカーに熱中しておられたことと思います。私はサッカーには基本的に興味がないのですが、報道の過熱にあおられ、コロンビアとの最終戦を観戦しました。ファウストの翌日、大阪、ニューオータニの一室で、早起きしました。

素人ですから、批判的なコメントはできません。ただ、一般論として、素朴な疑問を感じるのですね。それは、攻めるのこそが日本のサッカー、ということで、ほとんど攻撃中心の戦術が採られていたことです。もちろん点を取らなければ勝てないわけですが、強い相手に対して正面から攻めていくというのは、古来の兵法に照らしても、どうなのでしょう。

私は、将棋が少しわかります。将棋の世界では、ヘボは攻めるだけ。守りが強くなって初めて、ランクが上がってゆきます。なぜなら、攻めは自分の都合を中心に考えて進められますが、守りは、相手がどう来るか、どう来られたら自分が困るかを、入念に考えなくてはならない。すなわち、相手中心に考えるという高等戦術が、守りには必要なのです。名人になるのはたいてい、守りの強い人です。

というわけで、外野が守らず攻めろ!の大合唱になっていたのは、どうなのかと思っていました。それにしても、中南米は、小国もみんな、強いですね。だからこそ面白い、ワールドカップです。

【付記】野球も同じです。交流戦の間に、守備の破綻から大量失点というゲームをいくつも見ました。ソフトバンクの二遊間(本多、今宮)はすばらしいですね。

惻隠の情生まれる2014年05月18日 12時42分56秒

16日(金)夜。近江楽堂で西山まりえさんの弾くゴシック・ハープの美音を満喫した私は、10時に帰宅。しかしいつものようには、テレビのスイッチを入れませんでした。入れたのは、11時になってから。巨人-広島戦を、先入観なしで観戦しようというのです。チャンネルは、CS608です。

試合は広島が先攻し、ルーキーの大瀬良が力投。私はワインを飲みながら油断なく観戦し、深夜の2時に及びました。広島のはつらつとした戦いぶりは、胸のすくよう。「カープ女子」が急増中であるのもうなずけます。

私は昨今カープ・ファンですが、勝ったときだけ書いているわけではありません。昨日は巨人の完勝でしたし、1時間後に始まる今日の試合も、楽観はしていません。だからこそ今、久しぶりに野球ネタを披露しているのです(こういう心境を「余裕」といいます)。

17日(土)。「たのくら」で《トリスタンとイゾルデ》の第2幕を鑑賞し、会員の方々と、お昼を食べに行きました。立川の中華料理「五十番」で砂肝を食べるのが、最近の好みなのです。いつもは2テーブルに分かれるのですが、この日は10人だったので、1つのテーブルを囲み、楽しくお話しすることができました。当然、野球の話になります。

そうしたら、驚くべき事実が。なんと10人が全員、アンチ巨人であったのです!昔なら、10人いれば8人が意気軒昂とした巨人ファンで、暗い眼でおどおどしている1人か2人がアンチ巨人。それが相場でした。時代が変わったとはいっても、10人が10人アンチとは。だから「たのくら」が28年も続いているのか、それともそういう人ばかり残っているのか(汗)。あ、皆さんいい方たちですので、巨人ファンの会員も歓迎いたします。

なにしろ今年は、有力な選手をどんどん補強し、ぶっちぎりで優勝確実、と言われていた巨人軍です。私もそれがありますからつい巨人ファンの方にからんでしまい、先日も尊敬するYM先生に、「あなたのような性格にだけはなりたくない」と言われてしまいました(笑)。

関西における阪神の人気と全国における巨人の人気は似ている、とおっしゃる方がいます。しかし私の見るところ、ファン気質はまったく違う。阪神ファンにはおしなべて自虐的な傾向を感じますが、巨人ファンはまっすぐかつ繊細で、どちらかと言えば打たれ弱いように思いますが違うでしょうか。なんとなく、惻隠の情を感じるようになってきました。やさしく振る舞うようにします、私。

パ・リーグで巨人化しているのが、ソフトバンクです。先発のウルフとスタンリッジ、抑えのサファテ、四番の李、みんな去年は他チームの選手じゃないですか。好きなチームが多い中で、今年は善戦しているオリックスを応援することにしました。めざそう、三連勝!

魂の躍動2013年11月01日 11時39分41秒

皆さん、ダヴィデヒデさん、日本シリーズ、見ておられますか?レギュラー・シーズンでも、CSでも、アンチ巨人を爽やかに貫いてきた私ですが、巨人が日本シリーズに進出したのは、実力であり、顔ぶれであり、財力ですから仕方がない。おかげで、日本シリーズを楽しませていただいています。

巨人の大選手たち、高額年俸選手たち、FA選手たち、ドラフト拒否選手たちの間を縫って、楽天の若い選手たちが、言うところ「魂」を込めて走り回るのは、心を洗われるような見物です。『魂のエヴァンゲリスト』などという本を書いている「魂」つながりかもしれません。

昨夜は幸い自宅で観戦できましたので、9回、10回の攻防には感動。涙が止まりませんでした。私はいままで星野監督をあまり好きではなかったのですが、最近、選手を信頼して使う監督のようだな、と思うに至っていました。びっくりしたのは10回の表、当然代打だと思っていたら、9回に追いつかれていた則本が、そのまま打席に向かったことです。

4回戦でもわかるように、序盤でリードして追加点が取れないでいるうち、巨大戦力の巨人が追いかけてくるという展開は、危険大です。9回裏はまさに巨人に波が来ていたので、いったんはサヨナラを覚悟しました。ところが、それをはねのけて延長戦。これでもし勝ったらすごいな、と思っていたところです。

一番からの打順が控えるところでピッチャーを打たせ、一死を与えることはまずいんじゃないか、と思うと同時に、そこまで則本を信頼しているんだなあ、と、傍目にも伝わってくるものがあり、もしかしたら打つのではないか、という期待感が出てきました。そうしたら、西村が妙に縮こまって、四球。後はご承知の通りです。最後は則本のすばらしい投球と外野のファインプレーで、決まりました。

終了後は、ワインを飲みながらスポーツニュースをはしご。第6戦(ともしかしたら第7戦)は見られませんが、いい日本シリーズでした。

練習は嘘をつかない2013年10月25日 13時50分11秒

マレイ・ペライアのすばらしいコンサート(批評を出します)から帰り、プロ野球ドラフトの結果を知りました。ドラフトで一番大事なことは巨人がいい選手をとれないことだと思っていますので、パ・リーグにたくさんいい選手が入り、広島にもいい選手が入った今年は、大満足です。

でも一位が活躍するとはかぎりませんよね。ヤクルトの小川も楽天の則本も、二位の成功例です。伸びる、頭角を現すというのは、どんな条件によるのか。人との出会いとか故障など運の要素も多分にあるでしょうが、それも込みで、その人のやり方と考えるべきではないかと思います。

定年になってから、若い人の勉強の仕方などを、以前より広い立場で見るようになりました。研究の場合でしたら間違いなく言えるのは、たくさん勉強した人が勝つ、という法則です。野球で「練習は嘘をつかない」というのと同じでしょうか。

勉強の量はかける時間と相関しますが、短い時間にたくさん勉強できる人は、掛け算で量が増えていきます。それは能力だとも言えますが、その前に、集中力と考えるべきでしょう。集中力は、意志や責任感とかかわり、対象への意欲とかかわります。面白いと思えることをやっていれば、意欲は大きく高まるわけです。

卒論・修論を必ず成功させる秘訣は読む人に「よく勉強した」と思わせることだ、といつも申し上げていますが、それは上記のような意味で、勉強の量とかかわります。量を増やす、いろいろな方法があることでしょう。

存在感2013年10月09日 09時13分43秒

野球のシーズンが終わりました。発足当時は「何この制度?」という声もあったクライマックス・シリーズがすっかり定着し、三位争いの白熱を楽しむことができました。

なにしろ、私の応援しているチームが両方とも三位。とくに連勝で追い込んだ西武ライオンズの戦いぶりはたいしたものでした。「戦力豊富」と言われていますが、中島がメジャーに行き、中村が負傷して始まったのだから、若手の成長はたいしたものです。中島がいたら、ショート鬼崎の活躍はなかったでしょうし。

球場に行っていたらもちろんでしょうが、テレビのディスプレイでも、吸い寄せられるように見てしまう選手っていますよね。楽天のジョーンズって、すごくないですか。めったに打たないのだが、いかにも打ちそう。群を抜いた迫力を発散しています。いわゆる存在感ですね。それがどうやって作られるのか、興味があります。一番大きいのは自信でしょうが、それだけではないですよね。

存在感は、音楽の世界でも大きな役割を発揮します。ある方が絶対有利で、存在感のあるアーチストには、聴衆/観客が集中して耳/目を傾ける。しかしその養成講座がないのは、作ろうとして作れるものではないからでしょう。でも、もう少し、研究されてもいいテーマだと思います。

昔ミュンヘンにいたとき、何度も《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を観ました。不思議だなあと思っていたのは、12人登場するマイスタージンガーの主役が、一目で見分けられることでした。ベックメッサー役のヘルマン・プライ、ザックス役のベルント・ヴァイクル、この二人に目が吸い寄せられてしまうのです。ステージでは、つねに起こることだと思います。

祝CS進出2013年09月26日 08時21分57秒

知人のコンサートから帰ってCS放送に照準を合わせ、広島東洋カープのCS進出を知りました。洒落ではありません。昔フジテレビでやっていた「プロ野球ニュース」が、いまCSで放送されているのです。解説者はほぼ同じなので、かなりオールドな感じになっています。

おめでとう。勝利投手バリントン、セーブ・ミコライオ、決勝打エルドレッドというとどこの国のチームだとなりそうですが、やってきた選手たちはみな、広島という町が大好きになるようなのですね。いずれにしろ一体感のあるチームで、丸、菊池など、スピード感のある選手がたくさんいます。

阪神にはご遠慮いただき(優さんごめんなさい)、巨人に挑戦してもらいましょう!マエケンがいますので、勢いが途切れなければ(←これがむずかしい)、いい勝負になりそうです。

好きなチームの多いパ・リーグですが、このところ西武に絞って応援しています。はるか昔の西鉄ファンだったので、私的には自然な流れです。西武はこのところ大きく盛り上がってきていて、昨日も連夜のサヨナラ、すごかった。楽天もいいのですが、巨人と対決となると、きっと固くなる。西武の方が楽しみがありそうです。四番の浅村、すばらしいですよ。

巨人も敗れ、応援している方がことごとく勝つという、珍しい日になりました。・・・こう書くと、たいてい次の日ダメなのですが。

国際化の証明2013年09月18日 10時38分15秒

日にちがどんどん過ぎ、いくつかのイベントについてご報告やお礼をするタイミングを失ってしまいました。松本には8日の「バッハの会」に続いて、16日に演劇を観にいくことになっていたのですが、台風で特急が全面運休に。また出直したいと思います。

その間に、広島東洋カープが怒濤の勢いで、7連勝。クライマックス・システムというのは妙な制度だと思いますが、後半を盛り上げることは確かですね。今の勢いなら、阪神を破って巨人と対決、ということになるかもしれません。パ・リーグは、西武にもうひとがんばりしてほしいです。

バレンティンのホームラン記録には、なかなか感動しました。私も長くプロ野球を見ていますから、王のかつての記録に外国人選手が挑戦するたびにアンチ機運が盛り上がり四球の連続、というシーンを、いくつも覚えています。それに比べると、バレンティンが投手に勝負され、記録をみんなに祝福されている姿は、隔世の感がある。まさにこれは、日本が国際化されたことの証明です。国際化の壁ということもさかんに言われますが、日本人が国籍を問わず外国人に慣れ、妙な偏見から格段に解放されていることは間違いないと、日頃から実感しています。ただ野球の選手、何年のいる人は、もう少し日本語ができるようになってもいいですね。せめて力士の半分ぐらいは。

去年からずっとやってきた朝日カルチャー新宿校の「マタイ受難曲徹底研究」講座、今日が最後です。昨夜は最終合唱曲を細かく分析し、なるほどこうなっているのか、と膝を打ちましたが、いまごろそんなことを言っていてはいけませんね(笑)。今日はリヒターとフィッシャー、究極の比較を行います。終了後会場を飛び出し、いずみホールに向かいます。

ねじり合い2013年08月19日 10時39分01秒

「先生、よく一回で覚えられましたね」という声が、背後のダヴィデヒデさんからかかりました。場所は、韮崎市(山梨県)の文化ホール。楽屋から、合唱コンクールの審査員席に向かう途中のことでした。

私の弱点は、方向音痴であること。ホール内の移動はたいてい迷路のようなルートになり、いつもご迷惑をおかけするものですから、この日は、意識的に覚えようとしました。幸いなことに、いつになく容易なルートでした。報われた思いでとても嬉しくなった私は、「今日は覚えたんですよ!」と答えました。

しかし、答えている最中に早くも気がつきましたね。ほめられているとは限らない、ということに。「よく一回で覚えられましたね」の前に「方向音痴なのに」とか「お歳なのに」とかを補うと、意味合いは180度異なってきます。しかも言葉を発したのが、ダヴィデヒデさん。この方は、読心術にたけ、話術は当意即妙、切り返しは天才的、という、じつに「手ごわい」方なのです。コインロッカーのような事件を、いつも楽しみにしてくださっています。

コメントをお読みの方はご承知だと思いますが、ヒデさんは大の、いや特大の巨人ファン。審査員室ではさっそく野球の話になりました。よりによってこの時節に鼻付き合わせなくても、と慨嘆する私に、ダヴィデヒデさんは、どんどん野球の話題を振ってきます。若い人の知らない言葉を使えば、「嵩にかかる」という形です。

驚いたことに、表彰式の講評でも、「審査委員長の礒山先生はアンチ巨人」とおっしゃるではありませんか。私はよほど、「嵩にかかることは人間として慎みましょうね」と客席に呼びかけようかと思いましたが、やはり合唱の話をしなければと思い、ぐっとその言葉を呑み込みました。時節柄、がまんするほかはありません。

平素は携帯の「モバイル・ジャイアンツ」で、試合の経過を確認します。現場では確認するゆとりがありませんでしたが、後でわかったのは、まさにそんな話をしている間に、菅野が中日打線にめった打ちに遭い、巨人が完敗したことでした。しっかり確認し、講評のさいに試合経過を報告しておくべきだったと、つくづく後悔しました。案外、武運の分かれ道は山梨県にあったのかもしれません。

(山梨の合唱連盟の方々、お世話になりました。いいコンクールでした。)