ホールオペラ2008年03月13日 16時00分40秒

ホールオペラがさかんですね。いずみホールでも5月にロッシーニの《ランスへの旅》を出しますが、3月6日にサントリーホールで見たモーツァルト《フィガロの結婚》は、見事なものでした。

コンサートホールでオペラを、というのは、不自由を承知で名曲を聴きたい、というところから始まったと思います。初期にはほとんど、演奏会形式に近かった。しかし最近は著しく発展し、むしろ劇場以上に自由な創意工夫が行われている印象があります。今回の《フィガロ》がまさにそうで、スピーディーなイタリア喜劇を愉しみました。

11日の毎日新聞に賛辞を書きましたので、ここではごく簡単に。指揮者ルイゾッティの生き生きした表現と縦横無尽のフォルテピアノがすばらしく、セッコがこれほど面白く感じられた《フィガロ》は初めてです。キャスティングも、完璧。5人の主役は、上昇中の旬の歌い手を、イメージぴったりに揃えていましたし、脇役も劣らず練達で、みごとな支えになっていました。この人選とプロデュース能力は、さすがサントリー。脱帽です。(バルトロを歌ったカプアノの大ファンになりました。)