声楽のCD3枚2008年03月25日 22時22分23秒

今月、新聞で選んだCDです。

まず、サントリーの《フィガロ》のスザンナ役として来日したダニエル・ドゥ・ニースの、ヘンデル・アリア集(デッカ)。燃えるように魅力的な舞台を《ジュリアス・シーザー》のDVD(クレオパトラ役)を見て驚き、すごい新人があらわれたと思っていましたので、サントリーがよく取ったものだと、感心していました。このアリア集も、コロラトゥーラの切れ味としい、爆発的な高揚感といい、たいしたもの。ものに臆するということが、そもそもない人に見えます。なんと、インタビューとギャラリーの入ったDVDがついている。頭もずいぶん良さそうですから、向こう20年は君臨するでしょう。オーケストラは、クリスティ指揮のレザール・フロリサン。

室内合唱の好きな私にうれしかったのが、ザ・シックスティーンの歌う2枚のCD(UCJ)。ロシア正教の音楽を集めた「イコン」も相当ですが、新聞には、「聖母マリアのための音楽」を採り上げました。ジョスカン、ブルックナー、フォーレらのアヴェ・マリアやサルヴェ・レジーナが高い透明度と心地よいリズム感で歌われ、至上の快感に包まれます。

同じ室内合唱の路線で、ヘンゲルブロック指揮、バルタザール・ノイマン合唱団、アンサンブルのパーセルのアンセム、葬送音楽、バッハの初期カンタータ、J.L.バッハのモテットを集めた1枚(DHM)も、楽しめました。温かさの中から、言葉がふっくりと浮かんでくるのです。第131番《深き淵より》の、久々の名演奏だと思いました。

他にも、マーラーの交響曲やリベラ・クラシカのシリーズなどいいものがあったのですが、私の持ち場である古楽の声楽にこだわった形です。