4月のイベント(総論) ― 2009年04月10日 23時43分50秒
今日、「基礎ゼミ」が終わりました。来週から授業開始で、ゆとりのない毎日です。なんとか、乗り切りたいと思います。
遅くなったイベントのお知らせです。今月の諸講演はすべて、6月の大きなイベントを指し示しています。それは、ジョシュア・リフキンを招いての《マタイ受難曲》ツアー。私はその音楽監督です。今年のもっとも重要な出来事と位置づけていますので、皆様、ぜひお力をお貸しください。
リフキンを招いての公演ですから、全パート1人ずつの重唱方式は当然。CDでこの「リフキン方式」をとっているのは、マクリーシュのアルヒーフ盤だけです。器楽も当然、ピリオド楽器になります。
《マタイ受難曲》におけるリフキン方式の利点は、この受難曲の特徴であり本質である、2つのアンサンブルの対話が生かされることです。普通の《マタイ受難曲》公演では、2つの合唱グループの前に4人のソリスト、そしてエヴァンゲリストとイエスが並びますよね。本当は、ソリストは両グループのトップ歌手が歌うべきで、8人必要なのです。それではお金がかかりますから、第1グループの担当するアリアも、第2グループの担当するアリアも、同じソリストが兼ねています。本当は、それではだめなのです。
このアリアは第1グループ、このアリアが第2グループという仕分けは、内容的にも重要な意味をもっています。一般の公演ではあいまいになりがちなこの対話コンセプトが、今回はひときわ明瞭に実現されるはずです。なぜならば今回は、第1グループがアメリカ、第2グループが日本の若手によって編成され、国境と文化を超えた対話となるよう、考えられているからです。第1グループ、すなわち出来事を間近で見守る「シオンの娘」は、ボストンに本拠を置くケンブリッジ・コンツェントゥス。第2グループ、すなわち離れたところから案じて問いかける「信じる魂」は、私の主宰する「くにたちiBACHコレギウム」に、芸大系の方々を加えて編成します。リーダーは桐山建志さん、通奏低音は大塚直哉さんです。
こうした国際的な共演は、《マタイ受難曲》のコンセプトを新しい形で生かすものだと確信しています。詳細は、次の更新で。
最近のコメント