サックスの「ハモり」にしびれる2010年03月28日 11時20分30秒

演奏会の良さって、技術やレベルでは計れないものですね。やっぱり、気持ちです。そのことを、土曜日の「錦まつりコンサート」で、再確認しました。

題して、「サクソフォンって、おもしろい!」。出演したのは、下地啓二さんと、その門下の方々。4年生が抜けたばかりの下級生主体で、どれだけのことができるものか、不安に思わないでもありませんでした。ところが、3グループに分けて編成されたクワルテットがことごとく、見事な「ハモり」。同族楽器のグループでこれほど豊かにハモるのは、サックス以外には考えられません。予算が少ないというのに、みんなよく準備してあり、変化に富むプログラムに、全力投球しているのです。

ワン・フロアで身近に楽しむことで、私としては企画に参加することで初めてわかる、サクソフォンの面白さでした。学生たちのこの一体感は、先生の力量とお人柄によるもの。下地さんは後半のミヨー《スカラムーシュ》でソロをされ、最後のグリーグ《ホルベアの時代から》を指揮されましたが、《スカラムーシュ》の第2楽章の円熟した音色美は心の琴線に触れるもので、涙なしには聴けませんでした。じつにすばらしいコンサートだったというのが、応援してくれた「たのくら」の方々とともにした実感です。