博士誕生!!2010年03月09日 11時08分32秒

今日発表があり、国立音楽大学始まって以来の、博士号をもつ学生が誕生しました。メゾソプラノ歌手の、湯川亜也子さんです。おめでとうございます。

湯川さんは、フォーレの歌曲《エヴァの歌》の研究で、博士号を取られました。コツコツと積み上げる本当に勤勉な方で、ドクターの3年目で、別人のように伸びてきました。私も驚くほどの、研究の発展でした。

私は本来、指導でできることはほんのわずかだ、と思っています。私の一番弟子はいま東大のドクターにいる堀朋平君ですが、このぐらい優秀になると、指導とは関係なく、伸びていきます。指導は、せいぜい参考程度です。

にもかからず、湯川さんの場合は、自分が育てた初めての学生だ、という感じがするのです。もしかすると失礼な感想かもしれないのですが、感動を込めて、そう思います。一緒に、いい勉強ができたということではないでしょうか。

最短距離で第一号の博士誕生というのは、論文指導した教師として、望外の喜びです。学生に恵まれることがいかに嬉しいことか、痛感しました。その意味で、今日は、最良の日でした。

同時に、博士課程の合格発表。14人が5人の椅子を争う激戦でしたが、合格は2人になりました。iBACHコレギウムのコア・メンバーである高橋幸恵さん(メゾソプラノ)が合格されましたが、さまざまな要素を兼ね備えた優秀な方なので、楽しみです。