史上最大の(?)勘違い2010年10月14日 11時46分31秒

私、本当に馬鹿。ともあれ、水曜日のお話です。

聖心女子大で授業後、NHKへ。12:10に授業が終わり、13:00に放送録音が始まるという間に食事ができるかどうか、大問題でした。しかし、タクシーでNHK近くまで行き、急いで讃岐うどんを食べるという作戦で、辛うじてクリアしました。

11月放送のNHKは、日ごとの特集メニューにしました。スウェーリンク(月)、アーン(火)、バッハ(水、カンタータ第98番、188番など)、ヴェックマン(木)、ヘンデル(金、シャンドス・アンセムなど)、フローベルガー(土)というプログラムです。こう並べると作曲家の器の大きさがはっきり見えてきますね。バッハを別とすれば、やはりヘンデルが抜群。次がスウェーリンク(案外声楽曲がいいですよ)、それからフローベルガー、ヴェックマンの順かなと、直感的に思いました。今朝になり、フローベルガーの回に使おうと思って買っておいた、知られざる作品集(ランペ演奏)のCDを発見。残念ですが、また別の回にします。

録音後大学に即移動し、大学院研究年報の編集会議。今回は私の指導下で、声楽専攻のドクター3人が論文を提出しました。私の見るところかなりの出来映えなものですから、意気揚々という感じで出席しました。

ドクターの学位を取るためには、審査のある論文集への寄稿が義務づけられています。音楽学の専攻生には、審査に通った論文が2本。それ以外の専攻生には、1本が要求されます。提出した3人は2年生なので、ここで通しておかないと、即、留年になってしまうのです。

ですから学生の緊張感も極大。月曜日の締め切りを控えた週末には添付ファイル付きのメールが焦燥感をもって飛び交い、私も深夜まで全面的に対応して備えました。その結果として、「私の見るところかなりの出来映え」の論文が出来上がったわけです。

即留年じゃかなわないからね、と会議で発言したところ、他の先生が不審なおももちで、演奏の学生は義務ではないんですよ、とおっしゃる。皆さんが、同じ意見。私だけがなぜか、1本は必須と、3年間誤解していたのです。一気に力が抜け、学生に何と言ったものかと、思案しました。

でもこの危機感で1本仕上げたことは、大きな成果なのではないか。ダメでもOKという感じで取り組んでいたのでは、さらに大きな博士論文での成功は望めないのではないか。そう思うことにしましたが、私の勘違いからきわめて多くの汗がここしばらく流されたのは確かでした(汗)。