忠義2011年06月17日 23時33分40秒

最近のニュースでなかなか感動したのは、松木謙公民主党議員が内閣不信任案に賛成票を投じ、党を除名されたことでした。涙を流しながら筋を通し、けっして偉ぶらない松木さんのインタビューを見て、私ももらい泣きをしてしまいました。

こういう忠義の士が、昔はあちこちにいて、日本を動かしていたのでしょうね。政治的には批判もあることかも知れませんが、打算があってはできない行動で、感銘を受けました。

昔、職場で年長の方に教えていただいたのは、人間の価値は、苦しい時どのぐらい人が助けてくれるかで決まる、ということでした。以て肝に銘じていますが、そこで気づくのは、小沢一郎さんにはこうした部下がいる、ということです。小沢さんはいま本当に苦しい状況だと思いますが、こうした部下がいて、いわゆる軍団もまとまっていて、人が離れていっているわけではないように見えます。そう考えると、小沢さんという人の人間力も大きいのだろうな、という気がしてきました。権力の頂点にいても総スカン、という人もいるわけですし・・・(巻き返しは成功するのでしょうか)。

つい人気投票2011年06月18日 23時57分27秒

今日は「たのくら」の日。須坂で出した「テノール昔と今」のネタを再使用し、テノール三昧の2時間となりました。

私は、テノールへの熱狂から音楽の道に入ったようなものです。講座では、テノールとは、という基礎論のあと、私が最初に熱中した2人のテノール歌手を扱い、その個性を対比した上で、それ以前のベル・カントの歌い手たちと、その後の有名どころとを比較する流れにしました。最初に熱中した2人というのは、NHKのイタリア歌劇団でセンセーションを巻き起こしていたデル・モナコと、イタリア民謡のレコードで人気を博していたディ・ステーファノです。

あと7人を加えて、「今日の9大テノール」としました。「今日の」というのは、お店のセールと同じで、使える音源なり映像なりが集まっていることなどを優先し、恒久的なランクではない、ということを示す意味があります。残りの7人は誰だ、とお訊きになりますよね。言いたくありません!これはどうした、あれはいないじゃないか、なぜこれが入るのだ、とクレームが殺到することが、眼に見えるからです。あ、がまんしてくださるのですか。それなら申し上げます(笑)。

「以前」からは、カルーソー、ジーリ、スキーパ。「以後」からは、ヴンダーリヒ、パヴァロッティ、ドミンゴ、フローレス。ドイツ系、北欧系のテノールは何人か頭をかすめましたが、イタリア系の人がずらりと並ぶとやはり入れるのに違和感があり、本場の人たちからも一目置かれているヴンダーリヒのみとしました。若手はフローレスを代表としましたが、とくに根拠はありません。

それぞれを2つぐらいの演奏で解説してゆくのですから、本当のところは、もちろんわかりません。それでも、アンコール1曲やりましょう、誰にしましょうか、という人気投票をやってしまうのが、私のダメなところです。選ぶ音源によって有利不利がありますし、私の紹介の仕方も心理的に影響しているはずなので、単なる遊びだと念を押した上で、結果をご紹介します。

須坂では、ディ・ステーファノとヴンダーリヒが同票でトップ。あとは票が分かれ、スキーパとフローレスがゼロ。立川ではジーリがトップ、2位がパヴァロッティで、ゼロはスキーパとデル・モナコ、ドミンゴ(!)でした。(ドミンゴは1981年の《アンドレア・シェニエ》を使いました。これ自体はすばらしいと思います。)

私自身はと言いますと、音量は必要最低限、むしろ音色と味わいを重視する、という最近の価値観から、メザ・ヴォーチェの表現を重んじる歌手に魅力を感じます。その意味で、昔のテノールの良さに目を開かれているわけですが、それには、下降音型に必ずかかるポルタメントに、慣れる必要があるように思います。昔の歌い手もいいけど、古めかしく思えて、と言う方がおられるのは、多分ここに原因があります。

終了後、知人のコンサートを覗き、帰宅後、明日の講演の準備をしました。演奏を楽しんでいただければと思います。

共催講座とその後2011年06月20日 22時05分08秒

19日(日)、読売新聞との共催講座完遂しました。読売新聞の多摩版をご購読の方は、詳しい記事をお読みになったかもしれません。

この企画は大学単位で進んできた教養講座であり、音楽ファンの方々を対象にしているわけでは、かならずしもありません。したがって、バッハがテーマというのは渋すぎるかなという懸念もありましたが、結果的にはたいへん多くのお客様に、熱心に受講していただきました。大学側のシミュレーション(バッハの回は200人ほどお客様が増えるのではないか、という推測)が裏書された格好で、ありがたいことです。

大学の音楽研究との取り組み、音楽研究所の歴史のようなことから話を始め、結婚カンタータの楽譜発見にまつわること、《ロ短調ミサ曲》の日本初演と今準備している「リベンジ公演」についてを、二本柱としてお話ししました。それにからめて、渡邊順生さんおよび「くにたちiBACHコレギウム」のメンバーによって、《ゴルトベルク変奏曲》のアリア、結婚カンタータの1部、《ロ短調ミサ曲》の一部を演奏したのが、何よりのアトラクション。連続講座としてのプレッシャーも少しは感じていましたから、ほっとしたところです。ご出演の方々、ありがとうございました。

終了後は行きつけのイタリアン、KISAKIを開けてもらって、打ち上げ。おいしく、楽しく、にぎやかだったのですが、進行するにつれ、体調の降下を感じ始めました。帰路はかなり調子が悪く、今朝には風邪の症状がはっきりあらわれて、休養。客観的に見て、忙しすぎたと思います。もらってきた薬でアレルギーが発生するなど思うに任せませんが、迷惑をおかけしないよう、早く治したいと思います。

マスク2011年06月23日 23時40分52秒

少し前のことですが、学生さんが指導に、大きなマスクをかけてやってきました。きれいに見えましたので、私は「マスク、似合うねえ」と声をかけました。このように、ちょっとほめるだけで指導が円滑に進むことが、よくあるものなのです。

ところがその学生さんはムッとした態度を示し、「ほめてませんね」と言うではありませんか。皆さん、客観的に見て、どうでしょう。「似合う」というのはほめ言葉であるはずですが、この場合は、ほめたことにならないのでしょうか。

以来私は、マスクをしている女性を観察してみました。結果として理解したのは、マスクをしているのにきれいに見える人は、もともと相当きれいな人だ、ということです。やはり「似合う」はほめ言葉であると思います(筋通ってますかね)。

私は5年にいっぺんぐらいしか風邪を引かず、花粉症でもありませんので、マスクに慣れていません。しかるにこの数日は、ずっとマスクを着用していました。わかったのは、マスクが心理に相当影響を与える、ということです。

第1に、マスクは人を大胆にさせる。京王線の中で次々に営業電話をかけている人がいましたので、私は90度左を向き、その人の顔を、ずっと見続けていました。素顔では、ちょっとできません。

第2に、マスクは人を短気にする。酸素の供給が不足するためでしょうか、喧嘩っ早くなってしまうように思えます。職業上の喧嘩を、1つしました。

第3に、マスクは、音楽の感動を減殺する。なぜか、妙に批判的になってしまうのです。仕事のさいには、マスクをしないで聴くべきだと感じた次第です。明日の授業、どうなるでしょうか。

免罪符2011年06月24日 23時56分47秒

暑いですね。エアコンを使うのも肩身が狭い中、皆さんご無事でしたか。私も、熱中症という言葉が他人ごととは思えないほど消耗しました。なにしろマスクをしているので(笑)。酸素不足から学生を一喝、というシーンが、やはりありました(汗)。

よくコメントを下さるたのもーさんは、館林の出身。おそらく熊谷39.8度の栄光を、切歯扼腕の思いでご覧になっていたことでしょう。それを超えたら40度ですけど・・・。

今日、大学院入試の説明会がありました。私は修士の音楽学と、後期博士課程の全体説明をする役回りです。今年度で退職しますから、それなのに説明するのは死に体なのに政策を語るようなもので、菅さんじゃあるまいし、と思いつつ会場に出かけました。そのネタを使い「居座るつもりはまったくありませんが」と話し始めることも決めていました。

直前の学生の指導を4分で済まし、急ぎ足で会場へ。マスクをしていると、息が切れます。集まっている先生方に挨拶を振りまきながら、着席。さて、ともらったプログラムを見ると、どこにも私の名前がないではありませんか。何度も、目を皿のようにして見ましたが、やっぱり、ない。どうやら今年の説明会は、来年度もおられる先生方で編成されていて、私の出番はないことがわかりました。

私は、きわめて満足して退席。暑い中を助かった、ということもありますが、必要のない会議に出席した、という満足感が大でした。必要のある重要な会議にうっかり欠席、という過去が重なっていましたので、これを免罪符としたいと思います。

《ヴェスプロ》の新録音2011年06月26日 23時52分42秒

「古楽の楽しみ」でモンテヴェルディの《ヴェスプロ》(聖母マリアの夕べの祈り)を取り上げることになり、新しい録音を物色しました。クイケン、アレッサンドリーニ、プルハールの3つを購入しましたが、クリスティーナ・プルハールとラルペッジャータの2010年の録音(ヴァージン)が、じつにすばらしいですね。ガーディナー以来の名演奏と呼びたいと思います。

このCDには、DVDがボーナスで付いています。それを見ると演奏の実際がよくわかるのですが、長髪のプルハール(女性)がテオルボを手にどっしり中央に座り、全体をまとめている。しかし指揮者として一手に仕切るわけではなく、歌い手と奏者の自発性に、多くがまかされています。

各パート1名の歌い手と奏者たちがそれに応え、打てば響くような鋭さで、この上なく生き生きしたアンサンブルを作り上げていく。「こう歌いたい」「こう弾きたい」という気持ちが末端にまであふれている演奏の訴えかけは、すごいです。弦楽器、管楽器(コルネットやサックバット)のレベルもきわめて高く、装飾も縦横に入って、華麗そのものです。

こうした演奏で聴くと、《ヴェスプロ》のすばらしさは格別です。密度では、《ポッペア》を凌ぐように思います。お薦めです(放送は7/18、19に全曲)。

中華街2011年06月28日 23時21分52秒

嗜好が少しずつ変わり、最近は、中華料理です。とくに、四川と西安が好み。ラーメンはもうあまり食べず、中華麺を食べるようになりました。

そんな私にとって便利なのは、食事する機会の多い立川に、中華街があること。駅ビルグランデュオの7Fが中華街になっており、よく通っています。最近長期の改装に入っていて待ち遠しく、うっかり足を運んでしまったことも何度かありました。

ようやく再開されましたので、さっそく訪れてみました。ん?「ごちそうダイニング」ってなに?改装された7Fは、なんと、中華街ではなくなっていたのです。中華料理も入ってはいますがごく一部で、私が好きだったお店は、影も形もなし。立川で食べるところが、ぐっと少なくなってしまいました。

いつか、国立のインド料理もご紹介しましたね。谷保との中間の、交差点にある気持ちの良いお店です。ここも前後して店じまいし、国立で食べるところが、少なくなってしまいました。

私の通うお店が、どんどんつぶれていきます。これって、本当に私のせいなのでしょうか。

無用のメール2011年06月30日 08時44分51秒

ここをご訪問くださる方は、皆さん、メールのヘビーユーザーでいらっしゃることでしょう。迷惑メールのラッシュからは解放された現在ですが、送られてくるメールのうち、本当に必要なのは何割ぐらいですか?私は、5割ぐらいです。

残りの5割のうちかなりを占めているのは、ハードやソフトのメーカーからの宣伝メール。ユーザー登録をすると送ってくるようになるわけですが、とうに使っていないマシンやソフトのものを加えると、相当な数になります。熱心な会社からは、毎日来る。ほかに、旅行会社やホテル、公私のコンサート案内などがあり、原田翔太(←知らない)なんていう人からも山のように来ます(笑)。これでは、G-Mailの容量がいくら多くてもたまりません。かといって、いちいち削除するのも面倒です。

そこで配信停止を試みるわけですが、多くがID番号とパスワードでログインする必要があり、それを調べたり、問い合せたりするのがたいへん。結局、増えていく一方になってしまいます。解約しやすいシステムにしていただきたいし、見ず知らずの人にまで「案内」するのは遠慮していただきたい、と思うことしきりです。