11月の「古楽の楽しみ」2011年11月02日 15時13分23秒

7日(月)からが、今月の出番です。

7日は、バッハの死と永遠をめぐるカンタータ第60番《おお永遠、雷の言葉よ》の初演日(1723年)にあたりますので、この曲と、同じコラールを用いた第20番が中心です。演奏は、ガーディナー。冒頭に、《われら生[いのち]のさなかにありて》というコラールを杉山先生の名訳で紹介し、先生を偲びます。

8日以降は、ドイツ・バロックの、地味ながらしっかりした仕事をした音楽家を紹介しました。8日(火)は、ルードルシュタットの宮廷楽長エルレバッハのソナタとカンタータ、ツィッタウのカントル、ゲッセルのカンタータ。9日(水)は、17世紀ドレスデンのヴァイオリニスト、ヨハン・ヤーコプ・ワルターのヴァイオリン音楽を中心に。10日(木)はワイマールのオルガニストで『音楽辞典』の著者としても知られるヨハン・ゴットフリート・ヴァルターのオルガン曲。バッハの作品も一部入れました。

11日(金)は、17世紀のトーマス・カントル、クニュプファーの宗教コンチェルトと、ヴィッテンベルクの地域で活躍したヤコービのカンタータ、バッハの弟子でドレスデンのルター派礼拝を仕切ったホミリウスのカンタータです。

というわけで渋い今月ですが、私の一押しは、クニュプファーの宗教コンチェルト《何を食べようか》。有名なイエスの説教が、対話形式で、諄々と訴えてきます。ヴァルターのオルガン曲も聴き応えがあると思います。