今月のCD選2012年02月25日 23時27分09秒

このところ、送別会続きです。木曜日は、ドイツに留学した同僚で作っている「ドイツ語つながり」という会の、恒例の集まり。金曜日は、音楽学の「追いコン」。どちらでも送別会を兼ねていただきました。両日とも盛り上がりましたが、最近あまり密着していなかった音楽学の学生たちが示してくれた親愛の情は意外なほどで、感動をもって受け止めました。いずれも深夜におよび、疲れ気味です。

今月のCD、行きましょう。すばらしい1位があります。小菅優さんのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集第1巻「出発」(ソニー)。第1~3番、第16~18番の6曲が収められていますが、正攻法の、じつに堂々たるベートーヴェンです。いまどき珍しい、といいましょうか。読みの深さと表現の多様性に加えて、のびやかさがあるのです。

2位は輸入盤で、ブルックナーの第3交響曲の初稿、すなわちワーグナー引用が要所で出てくる稿を、ブロムシュテットがライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を指揮して録音したもの(独QUERSTAND)。
ブレンドされた響きで流れよく進められ、長さを忘れます。初稿、いいですね。

第3位は、ダニエル・ホープの「ロマンティック・ヴァイオリニスト」というグラモフォン盤を選びました。19世紀の名ヴァイオリニスト、ヨーゼフ・ヨアヒムの貢献を、ブルッフの協奏曲やブラームスのハンガリー舞曲など、彼のからんだ作品で追うという焦点の定まった企画で、演奏も引き締まっています。