楽譜写し2012年02月11日 00時16分46秒

もうあと何回あるかという忙しさのピークが、この1週間です(もう一度、3月中旬にクライマックスがあります)。急ぎの仕事が立てこんでいるのですが、そのひとつが、松本での《フーガの技法》講演の準備。今回はパソコンのプレゼンテーションに凝りたいと思い、MIDIファイルを作成しているのです。

ひところ、フィナーレに凝ったことがありました。でもだいぶ時間が経っていまい、パソコンも代替わりして、昔のバージョンをインストールしようにも、レジストレーションコードがわからない。仕方ない、また買うか、と思っていたら、ネットのフリーソフトにもずいぶんいいものが出回っているのに気づきました。そこでいくつかダウンロードし、とりあえず今回は、MuseScoreというソフトで乗り切ろうと思い定めました。

とてもいいソフトですが、やはり使いこなすまでには、いろいろルールを知らなくてはならない。こういうことが、苦手なのですね。手でやればなんでもない1つのことがどうしてもできず、本当は簡単にできるのに、時間を費やしてしまう。こうしたことがよく起こります。

桐山建志さんが自筆譜から起こした楽譜をもとに打ち込んでいるのですが、これがすごい。Scoreという、20年も前のMS-DOSソフトで、半年がかりで打ち込まれたとおっしゃるのです。全曲がきれいに再現されていますから、当時のソフトで、これだけのことがすでにできた、ということですよね。

楽譜を写す時間がもったいない、というのは、コピー時代の感覚です。写譜はじつに面白く、勉強になる。バッハの写譜をしていたのは主としてトーマス学校の生徒で、家族も手伝いましたが、貴重な勉強の機会になったに違いありません。私もドイツの図書館でバッハの蔵書を勉強していたときには、極力複写を頼まず、ノートに書き写すことを中心にしました。反面、コピーをしたがそのままお蔵入り、という資料もたくさんあります。

桐山さんの準備作業を見て、日曜日のコンサートは必ずいいものになるだろうと確信しました。近くの方、ぜひお出かけください(松本ザ・ハーモニー・ホール、午後と夜の2回公演です)。