日比谷公会堂2012年03月04日 23時51分25秒

今日は、「日露修好ショスタコーヴィチ・プロジェクト2012」というイベントのために、日比谷公会堂に行きました。何年ぶりだろう、ここ。若い頃に通ったのに違いはないのですが、私は容れ物に執着するたちではないので、なつかしの涙、という感じにはなりません。冬の日比谷公園は、日曜日でもがらんとしていました。私は霞が関から行きましたが、すぐそばに、内幸町の地下鉄駅があるのですね。

15:00という招待券をもっていったところ、コンサートはもう始まっていて、14:30からの間違いだった、とのこと。帰り際主催者から謝罪されましたが、この種の間違いはほとんど謝罪する側なので、かえって恐縮してしまいます。

シチェドリンの《カルメン組曲》が響く中、階段をいくつも登って、2階最後尾の席に案内してもらいました。斜め下に会堂の全容を望める、高いところです。びっくりしたのは、音がいいこと。アンサンブル金沢の響きがまとまって、くっきりと、シャープに聴こえてきます。あれ、こんなにいいのにこのホール使わないの?と、まず思いました。

そうしたら、演奏を終えた井上道義さんが客席に向かって、今日は空席があるから、2階の一番上に行ってください、音がいいですよ、と話されたのです。まさに、私の座っているところ。それでも席を移動する人がほとんどいなかったのは、日本人の規律正しさですね。30分の間違いから、ホールの良さを知る幸運を味わいました。

メインは、ショスタコーヴィチの交響曲第14番。晦渋な作品で、演奏者の健闘にもかかわらず、もうひとつ理解がおよびませんでした。わかりたい音楽が、まだたくさんあります。