今月のCD選2012年04月18日 11時59分34秒

今日ちょうど、毎日新聞に出ました。いいものが多くあり、楽しかった月です。

1位にしたのは、バッハのクラヴィーア協奏曲7曲を2枚にまとめた、コンスタンチン・リフシッツ独奏のもの(オルフェオ)。シュトゥットガルト室内管弦楽団が演奏しています。

バッハのクラヴィーア協奏曲は、もちろん曲はいいのですが、チェンバロではどうしても、演奏効果が上がりません。しかしリフシッツほどの人に演奏されると、ピアノでやりましょう、と言いたくなるのですね。バッハを知り抜いていて、自由闊達、新しい発見のたくさんある演奏です。

ベートーヴェンの交響曲全集はモダンはもちろん、ピリオド楽器でも、すでにたくさん出ています。しかし、エマニュエル・クリヴィヌ指揮 ラ・シャンブル・フィルハーモニックのもの(ナイーヴ)には感心しました。古典期のピリオド楽器をしっかり揃えていることに加え、有機性に富む合奏が細やかで情感に満ち、潤いがあるのです。このためテンポはすこぶる快適ですが速いだけに陥っておらず、鮮度も抜群。3人の評者が全員2位という珍しい結果になりました。もちろん、1位でもおかしくないと思います。

DVDをひとつ、ということで、「ビクトリア~神々の作曲家」というザ・シックスティーンの映像(コーロ)を3位に入れました。「ルネサンス期スペインを代表する作曲家の光まばゆい合唱音楽を、聖地探訪の美麗な映像と共に」楽しめます。

コメント

_ taisei ― 2012年04月19日 09時26分44秒

ちょっと前の新盤ですが、アリアCDの紹介インフォメーション(~2/24)でフィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ・ヘント(古楽器使用)ドロシー・ミールズ、ハナ・ブラジコヴァー(S)ダミアン・ギヨン(C-T)トーマス・ホッブズ(T)ペーター・コーイ(Bs)のバッハのロ短調ミサは聴かれましたか?
アリアCDからの紹介文の一部「レーベル側から飛んできたインフォメーションは、次のような意味ありげな言葉で始まっていたのです。 『最初にうまくいかなかったと思ったら、またやればいい』」とあります。買うべきか買わざるべきか・・・。

_ 優@1&2&6&14&22&25 ― 2012年04月19日 16時01分26秒

ラ・シャンブル・フィルハーモニックのベートーヴェン交響曲全集は気になってはいましたが、どんなものか見当がつかず、ハズレなのではとしばらく様子を見ていました。先生のお薦め文を読んで購入を決めました。
最近我が家では、ベートーヴェンのピアノソナタ、とりわけシフの演奏が気に入っていてハマりつつあります(^^)

_ ルビー ― 2012年04月19日 23時49分37秒

今日は、午後お仕事が引けてから夕方までの空き時間に、チケット手持ちのセザンヌ展を観るつもりで駅までお散歩中、たまたまこの記事を読みました。
真っ先にリフシッツのバッハ・コンチェルト推薦に気が惹かれました。何年も前にリサイタルを聴いた時の個性的な印象が強く残っていたのです…ピアニストは客席から顔が半分は見えるはずなのに、この人は執拗に壁の方を向いてしまって、ひたすら自分の内面を見つめつつ奏でる音に聴覚を研ぎ澄ます感じなのです。シューベルトのソナタやベートーヴェンのバガテルの好ましい記憶があります。急な好奇心に駆られ、美術館行きはあっさり止めにして渋谷のタワレコへ直行!
すぐにシックな色合いの箱入り2枚組を見つけました…が、そのお隣にアレクサンドル・タローのバッハのコンチェルト集。彼にもコンサートをはじめ、ラモーやラヴェルのCDで魅せられており、ちょっと選曲にもこだわりを感じて、迷った挙げ句、結局こちらを衝動買い…ラッキーにもポイントが貯まっていて半額でした!

いつもツイテるルビー
(単純すぎる私にはI大先生からの大切な情報も猫に小判でしょうか…)

_ I招聘教授 ― 2012年04月21日 01時10分06秒

優さん、ベートーヴェンの全集、「たのくら」でお聴かせします。ルビーさん、タローの録音もありましたか。「いつもツイテる」はあり得ませんが(笑)。

_ ルビー ― 2012年04月22日 22時13分19秒

タロー盤、期待以上の大正解!光彩と覇気あふれる演奏は(私の耳には)超のつく爽やかな快感。
このところ朝一の景気づけに聴いていたヒラリー・ハーン奏するバッハのヴァイオリン協奏曲集…同じ曲を才気に満ちたクラヴィーアで聴けて(3番と7番、調が一音違うのですね)満足。
例の序文通り、私なりの小さな発見に報われたハッピー気分・・・リフシッツ盤も気長にインプットしています。

「いつもツイテる」のは(笑っちゃダメ!)どんなにささやかでもツイテる部分にのみ焦点を当てるから…いつもツク秘訣。
でもこの癖の源は、I先生の教えかも?最初に紛れ込んだ先生の教室は『音楽鑑賞論』と題する授業…「どんな演奏もその良い部分を聴きなさい」と言われたのが啓発的なヒントで、それでも好き嫌いのハッキリしてしまう私でしたが、人や周りの様々なものを見るのに無意識に応用してスムーズを獲得してきたように思えるのです。数々の奇跡のような巡り合わせもそんなお蔭かも知れない…大きな恩恵に感謝です!!
明日からFMラジオでお会いできますね。ご労作のご成果を聴き逃さないようにしないと…

おしゃべりルビー

_ I招聘教授 ― 2012年04月23日 08時14分44秒

「音楽鑑賞論」、思い出しました。自分向きの授業だと思い、喜んで担当したのを覚えています。回数は、そう多くなかったんじゃないかな。でも、随分前ですよ(笑)。

_ taisei ― 2012年04月24日 23時57分08秒

訂正します。フィリップ・ヘレヴェッヘ指揮コレギウム・ヴォカーレ・ヘント~は(ちょっと前の新盤でなく)今月のレコ芸に載るれっきとした新盤(それも特選盤)でした。梅田・丸ビルのタワーレコードのCDコーナーでこの盤を見ながらしばらく考えました。悩ましいのは映画でも本でもそうですがそれを買ってみないと良し悪しが判らないことです。で悔しいのは買ってしまって外れの場合もその盤なり映画なり本なりの売り上げに結果的に貢献してしまうことになることです。でその時はそれを買わず横に会ったジュリーニ=バイエルン放送響のが特価であったのでつい買ってしまったのですが、これが正解!モダン楽器はもういいと思っていたのですが実に歌心溢れる名演でした。モダンもいいかなと思って改めてクレンペラーやカラヤンを聴いてみましたがこれらはやっぱりイマイチです。モダンでも古楽器でもいいものはいいまずいものはまずいという当たり前のことに気がつかされた次第。それで改めてヘレヴェッヘをどうするか?悩ましい!

_ ルビー ― 2012年04月24日 23時57分21秒

そう…だってこの間の317最終パーティーで(リパッティのお誕生日じゃん)先生、輝く素敵なロマンスグレー(笑)!でも、青年の熱っぽさが依然と波打ってました。昔は、お若さのわりには老成した悟りの境地の人に感じていました。

思い出しました…その『音楽鑑賞論』の始まりは「演奏家ききくらべ」。第1回目の授業で、同じ曲を様々な演奏家のレコードで聴かせて、3人ぐらいの選択肢から選んで当てさせる・・・あれっ、コレって三択クイズの原型?ずいぶん複雑に入り組んだ先生の伝記クイズへと、巨大な変容を遂げていたけれど。

ふと思うに、人生ってクイズゲームのよう…困難に感じる時は、神様がクイズを出題していて、ちゃんと問題に取り組めばご褒美が…毎日ゲーム感覚で楽しめば軽やかにスイスイ、な~んて!

生意気ルビー

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