ドイツ旅行記(12)--衣食住2012年06月28日 23時24分46秒

衣食住という、バロメーターがありますね。その人たちの生活にとって、何が重要かをあらわします。私見によれば、日本人は4:4:2ぐらいではないでしょうか。家が狭くても、どんなに散らかっていても、きれいな格好をしておいしいものを食べているのが日本人です。

ドイツ人は違いますよ。圧倒的に、「住」を大事にする。私見によれば、1:2:7ぐらいに思われます。身を飾らず、素朴な料理を食べて、階級を問わず、ピカピカの家に住んでいる。環境、伝統、いろいろな理由があるに違いありません。

日本人には考えにくい、ドイツ人の習慣。ドイツ人は、家に他人が入ってくることを苦にしません。お客を、どんどん泊める。お客が来ると、家庭なら家を、職場なら職場を、全部見せます。台所も、お風呂場もひとつずつ案内するのです。それがお互い様の習慣ですから、当然、いつ見せてもいいように、磨いておく。ドイツで間借りをする人は、このことに注意しておかなくてはいけません。

ムフラーさんの弁護士事務所をかく見学し、家族合体の夕食を過ごした後、ベームさんのお宅に泊めていただくことになりました。恩義のある友人ですが、すごい家に住んでいる。ピアノのある1階はお客様に開放され、庭には池がある。じつに広々した空間です。こうした家をもつことを、衣よりも食よりも、優先しているわけです。犬も幸せ。


翌日は、彼が社長をしている会社を見学しました。クリーン・エネルギーの研究をしており、広大な敷地の中に、教会もあれば病院もあり、ホテルやレストランはいわずもがな、大学の学部まで誘致されている。あとは軍隊だけだな、と言っておきました。成功の要因は間違いなく、包容力のある人柄です。


見学のあとは、ミュンヘンまでドライブ。会社があるのはザルツブルクに近づいたあたりで、アルプスの迫る、広大な平原です。アウトバーンを走るドライブは、じつに快適でした。この彼から私は、留学時の住まいを又借りしていたのです。その住まいをもう一度確かめたく、連れて行ってもらいましたが、記憶は薄れていて、意外に感動が湧いて来ませんでした。