集中できる音楽空間2013年02月14日 22時58分45秒

うかつな人はおられるもので、「宮崎旅行中すみません。カツオのたたき、うらやましくて死にそうです」などというメールを頂戴しました。あの、宮崎に泊まったのは先週の土曜日ですよ。

遠距離の視察は、仕事にかかる時間に比べ、アプローチにかかる時間が長くなります。そこで頭をもたげるのが、「どうせ行くのだから」という考え。私もそうで、日曜日は鹿児島経由、新幹線を乗り継ぎ、途中下車してはおいしいものを食べて帰って来よう、と計画していました。

ところが気づいたのですね、10日の日曜日は午後、立川で私の仕切るコンサートがあることに。これでは飛行機でとんぼ返りし、リハーサルに駆けつけるのが精一杯です。あわただしいこと、この上なし。

立川で開いたのは、12月に須坂で行ったコンサートの東京版でした。出演者たちの熱望が、いろいろな方のご協力で実現したのです。メインタイトルが「春を呼ぶ音楽会」、サブタイトルが「立川26年、須坂10年…合計36歳の音楽会」。両都市で続けてきた講座が、私の中で、分かちがたく融合するに至っている昨今です。

コンサートについては須坂のおりに書きましたので繰り返しません。しかし今回書いておきたいのは、会場となった「セレモア・コンサートホール武蔵野」についてです。すずらん通りという立川駅からやや離れたところにあり、斎場内という立地でもありますから、訪れにくいとおっしゃる方もおられることでしょう。しかしこのホールが仲間内でのコンサートの場としてすばらしい効果を発揮することを、今回再認識したのです。

なにしろ音響設計が、永田穂先生。広くはないがゆったりくつろげる空間に、ベーゼンドルファー、プレイエル、エラールのピアノが並び、クラヴィコードもあります。そこに今回は、チェンバロを持ち込みました。照明を工夫してみると解説の話がたいへんしやすく、全員が自然にまとまって、音楽に集中できます。聴衆は「たのくら」の会員が中心でしたが、皆さん、同様の感想をもたれたようです。加えて献身的なサポートを、出演者に対してというよりはイベントに対して、してくださるのです。

現在のところ貸しホールはしていないようですが、ここでまたコンサートを開きたいと思います。その際は、ぜひお出かけください。