躍動する女子高生2013年02月25日 10時02分04秒

タイトルを見て、オッと身を乗り出されたあなたに質問。「池鯉鮒」と書いて、何と読むかご存じですか。では、「知立」は?

正解はどちらも「ちりゅう」。東海道の宿場町で、前者が当時の名、後者が今の市名です(にわか勉強)。その昔、在原業平を慕って八橋というところまで彼を追ってきた来た姫が入水し、そこに美しいかきつばたが花開いたという「姫塚」の民話が、この地(愛知県)にあるそうです。その哀しい物語から一連のオリジナル芸術を作り出し、「まちおこし」として展開しようというのが、「ちりゅう芸術創造協会」の構想。24日(日)に「パティオ池鯉鮒」(写真の総合文化施設)を訪れ、その本年度版であるダンスのイベントを見てきました。


演出・振付・主演を兼ねたダンサー、森山開次さんの新作、「光・かきつばた姫」に、すっかり魅了されました。現代の教室から当時を振り返る構想がじつにしゃれていて、近隣の光ヶ丘女子高校ダンス部の生徒たちとの強い連帯感のもとに、ステージが進められます。しゃれているといえば、板倉ひろみさんの作曲がまたいい。その質の高い音楽を、舞台奥のオーケストラ(角田鋼亮指揮の愛知室内オーケストラ)がしっかりと届けてきます。何より、ダンス部の女子生徒たちの若さ全開のパフォーマンスが圧巻。数十人が水も漏らさぬ統一をなしながら、一様に、キラキラした個の光を放しているのです。

地域に密着しつつ、これだけ質の高いオリジナル・イベントを作り上げるのはたいしたもの。企画に脱帽です。