「日本のうた」20132013年02月27日 09時39分53秒

まごまごしていると、もうすぐ3月。私の仕切るコンサートが3つありますので、順次ご紹介します。最初に、8日(金)の14:00(←平日コンサートの枠)から始まる、「日本のうた」の今年度版について。

今回は、「なつかしの民謡、励ましの民謡」と題してお送りします。出演は、ソプラノの菅英三子さん、テノールの中井亮一さん、バリトンの三原剛さん、ピアノはもちろん花岡千春さん。菅さん、中井さんとは初めてご一緒するので、楽しみです。

「なつかしの」民謡は、前半を構成する外国民謡のイメージ。「励ましの民謡」は、後半を構成する日本民謡のイメージです。それぞれ2つの部分に分かれています。

第1部は、「唱歌になった外国民謡」。唱歌の始まりが明治10年代に出版された『小学唱歌集』全3部にあることはご存じの通りですが、第1部から第3部にかけて、課題が急速に高度になっていくことに驚かされます。その中で外国民謡が、やはり光っているのですね。よちよち歩きの第1部から《うつくしき》を、第2部から《霞か雲か》を、第3部から《才女》を演奏します。《才女》は《アニー・ローリー》として知られる曲の、もとの形です。加えて、讃美歌としても知られる《星の界》と、重量感のある《故郷を離るる歌》を演奏します。

第2部は、「日本語で親しまれた外国民謡」のナポリ民謡編。いわゆるナポリ民謡が一世を風靡したのは1960~70年代だったでしょうか。当時みんなの覚えた日本語の歌詞で、超美声の中井亮一さんに4曲歌っていただきます。《サンタ・ルチア》《忘れな草》《マンマ》《フニクリ・フニクラ》です。

第3部は、山田耕筰の日本民謡編曲。芸術歌曲のように精緻な楽譜の中に、民謡特有の要素をクラシックの表現と融合させようとした、耕筰の努力が窺える曲たちです。最後はオリジナルの《松島音頭》をにぎやかに。これ、いつかやってみたいと思っていました。

第4部は、耕筰後の日本民謡編曲から、石井歓のステージ向き編曲を2曲、間宮芳生さんのライフワークから、初期のものを3曲。このあたりは花岡千春さんにご教示いただき、私も勉強しました。多くの方にお聴きいただければ幸いです。