北海道三日間--ひとり旅はむずかしい(3)2013年09月04日 08時28分50秒

ホテルに戻り、バーでワインを飲もうと思い立ちました。当然、カウンター席です(笑)。話し相手がいませんので、今計画中のカンタータのコンサートの構想でも練ろう、と思って出かけました。

席は6分ほど埋まっていたので、一番左にいる私と同年輩の女性からひとつ置いた席に腰を掛けました。この選択が、致命傷でした。

ひとりで来ているその女性、バーテンの男性とさかんに話しています。彼女と私、バーテンが正三角形の配置になっており、彼女の声もよく透るので、すべての話が克明に聞こえてくる。カンタータの構想どころか、その話を聞きながら飲む、という状況になってしまいました。

当然話の内容が問題になります。要するに自分の身の回りの話で、他人にはまったく興味がもてない。しかるに人のよさそうなバーテン氏は、じつにこまめに相槌を打つのですね。こういう仕事もたいへんだなあと思いながら、女性が帰るのを待ちました。

たまにバーテン氏が席を外すと、一瞬の静寂が訪れます。戻ってくると、待ってましたとばかりに、話の続き。ワインの2杯めに入り、かなり腹が立って来たころ、彼女もおかわりをして、話が続くことになりました。毎年この時期に来られる、常連客のようです。

私は、このあと自分が取った行動への深い反省のもとに、この時点でどうすべきであったか、考えます。もっとも穏当な選択肢は、ワインをあきらめて店を出る、というもの。でももう深夜ですから、他に行くところがありません。

次善の選択肢は、カウンターも空いてきていたので、もっとも離れたところに移る、というもの。そうすべきだったな、と思います。考えてみると、さらによい選択肢もあった。心の広い人、ダヴィデヒデさんのような方ならおできになるでしょうが、私にはとても取れない、ウルトラCの選択肢。それは、自分も話に加わってしまう、というものです。三方一両得の選択肢ですが、皆さん、お取りになれますか。

ワインが進むに連れ不寛容になった私は、2杯で終えようと決意しました。加速して飲み終えるちょうどそのタイミングで、「おかわりはいかがですか」と尋ねられ、手拍子で言ってしまった言葉は、「座る席を間違えた!」どいうものです(赤面)。

お勘定をしていると、カウンター席に、「ナニ、今の男!」という叫びが響くのが聞こえました。なだめるのがたいへんだったと思うので、お店には悪いことをしました。私のような一見の客より、常連さんの方が大切であることは間違いありませんから(合掌)。

このケースに当てはまるかどうかわかりませんが、常連客をお店が喜ばないケースも、よくあるように思います。過去のお店で見聞したいくつかの場面が、自然に心に浮かびました。

コメント

_ N市のN ― 2013年09月04日 12時52分52秒

先生、決してご心配なさることはありません。そのような方は(同年輩の女性)、3分後にはお忘れになっているでしょうから。
そして来年も必ずそのカウンターの一番左に鎮座しているはずです。

_ Figaro ― 2013年09月04日 14時58分21秒

後味の悪さ、お察しいたします。
これからは、こうしたらいかがでしょう。ほどほどのワイン(ハーフ・ボトル)をあらかじめ購入しておき、部屋で足をのびのびと投げ出して、おいしいチーズでもつまみながら、ひとり静かにグラスを傾ける・・・。

_ TG ― 2013年09月04日 16時37分51秒

www I教授がますます好きになりました。

_ TG ― 2013年09月04日 16時41分25秒

先ほどのコメント、失礼に当たったらお許しください。

_ I招聘教授 ― 2013年09月05日 00時11分07秒

いえいえ、TGさん、ありがとうございます。

_ 優@1&4&6&7&14&25&32 ― 2013年09月07日 22時28分51秒

先生のお気持ち、お察しいたします。
この場合、バーテンさんに落ち度があると思いますね。ホテルのバーであって、個人経営のスナックなどではありませんよね。個人的な話を持ちかけてくる女性も女性ですが、ホテルのバーのバーテンさんは、特定のお客だけを相手にするのではなく、そこにいるお客に公平にサービスする立場であるべきだと思います。その女性が常連で顔見知りであるならばプライベートな話は別の場でするなど、他のお客への配慮をすべきであって、そのバーテンさんはそうした面が欠如していましたね。

こういう場合は、雰囲気を壊されたということで、ホテル側に苦情を述べるのがいいのではないでしょうか。

_ I招聘教授 ― 2013年09月08日 00時18分44秒

優さん、野球の話題じゃないんですか(笑)。ホテルに苦情なんて述べませんよ。当日本当に気分を害したのは、「ナニ、今の男!」と叫んだ、くだんの女性です。ホテルは困ったと思います。まあ、カウンターは常連客だけのものではない、ということは言えると思いますけど。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック