今月のCD2014年06月28日 07時09分13秒

6月の特選は、椎名雄一郎さんのオルガンで「バッハへの道」(ALM)。世界的名器である、ノルデンのシュニットガー・オルガンが使われています。4月に、できれば足を伸ばしたいと思っていてあきらめたところです。

ブクステフーデ6曲、ベーム3曲、初期バッハ2曲という、みごとな選曲。演奏も堂々としていて、レパートリーを知悉した人にのみ可能な信頼性があります。勉強しておられますね。

準推薦は、デオドール・クルレンツィス指揮、ムジカエテルナによるモーツァルト《フィガロの結婚》。古楽の主張を、随所に感じさせるモーツァルトです。いわゆる大歌手揃いというのではないですが、歌い手がみな楽器に耳を傾け、楽器の響きに融合するように歌っているのが驚き。フルヴォイスで歌おうとする傾向が強いオペラの世界で、勇気ある提言と受け止めました。完成された演奏ではありませんが、声楽の方々に聴いていただきたいと思います。フォルテピアノが八面六臂の活躍をします。

コメント

_ 風来坊 ― 2014年06月28日 23時42分09秒

先生、こんばんは
来週はブランデンブルク協奏曲集ですね。どういうアプローチをされるのか楽しみです。
番組表が上がっていますけれども、内容〈聴かせ方・演奏者など〉はあえて確認しないでオンエアを聴こうと思います。
〈追白〉
こないだ録音メディアを整理していたら、アーノンクール=CMWによるロ短調ミサが出てきました(最後の来日?)。ほんとに素晴らしい演奏です。それで、中継放送の解説担当をされていた先生、感動のあまり、言葉に詰まっていらっしゃいましたね。先生のご感想(とくに、マエストロ・アーノンクールに対するご心境)もいっしょに記録されるべき、良い放送でありました。

_ I招聘教授 ― 2014年06月29日 10時28分38秒

風来坊さん、ありがとうございます。《ロ短調ミサ曲》の中継ではたしかにみっともないことになったのですが、関係の方々は、好意的に受け止めてくださったようです。あれは、本当に良かったですね。

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