「古楽の楽しみ」でヘンデルを2014年07月18日 09時38分57秒

再放送をはさんで少し間隔の空いた「古楽の楽しみ」。昨日、今月分の2回目の収録をしました。今月はヘンデルです。

4人で大まかな分担をして放送していますが、イギリスは担当を決めず、自由にやろうということになっていました。しかし全体として取り上げが少ないという話になり、私もこれからは積極的にやっていこうと決心。その第一弾として、「キャノンズのヘンデル」という特集を組みました。

ヘンデルがロンドンのオペラ活動から離れ、キャノンズのブリッジス(後のシャンドス公爵)の邸宅で活躍していたのは1717~18年。バッハのケーテン時代と対応しています。この時期が重要なのは、英語による作品がまとまって書かれていること。百合の咲く谷間のようなイメージでしょうか。英語作品にトリオ・ソナタをからめる形で、プログラムを組みました。

28日(月)は、牧歌劇《エイシスとガラテア》。演奏はちょっと古いですがガーディナーです。29日(火)はシャンドス・アンセムの《鹿が谷川を慕いあえぐように》と、その音楽と関係をもつ、2つのトリオ・ソナタ( op.2と op.5から1曲ずつ)。演奏はアンセムがレイトン指揮のもの、トリオ・ソナタはザ・ブルック・ストリート・バンドとレコール・ドルフェです。

30日(水)は、シャンドス・アンセム《主は私の光》と、2つのトリオ・ソナタ。アンセムの演奏はザ・シックスティーン、トリオ・ソナタはザ・ブルック・ストリート・バンドとロンドン・バロックです。31日(木)はオラトリオ《エステル》。ジョン・バットの新録音を使いましたが、バットが好調で、エンジン全開。ご期待ください。

ヘンデルの音楽というのは、何を聴いても「これは一度聞いたことがあるぞ」と思わせる親しみやすさがあります(=当時、いい音楽の必要条件とされていたこと)。じつは初めて、ということもあれば、じっさいに別の作品でインプットされていることも多い。いずれにしろ気持ちがよく朝向きでもありますので、またぜひやろうと、アシスタントと話し合いました。

もうひとつ、旧約聖書に基づくヘンデルのオラトリオは、新約聖書に基づくバッハの教会音楽とは相当に遠いところにあるとも実感。これは本質的な問題なので、別の機会に述べたいと思います。

コメント

_ しまむら ― 2014年07月21日 09時52分24秒

はじめまして。
NHKの番組表を見ていて「キャノンズのヘンデル」の意味が分からなかったので、検索していたらたどり着きました。
番組を楽しみにしています。

_ I招聘教授 ― 2014年07月23日 09時04分29秒

普通わからないですよね。1週間のテーマとしてまとめるにはちょうど良かったので、計画させてもらいました。よろしくお願いします。

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