今月のCD~ガーディナーとゲームの接点2014年07月26日 08時15分39秒

今月の特選盤は、ガーディナー指揮、モンテヴェルディ合唱団とイングリッシュ・バロック・ソロイスツのバッハ《復活祭オラトリオ》+カンタータ第106番。これと拮抗する次点は、イザベル・ファウストがハーディングと入れたバルトークのヴァイオリン協奏曲です。ファウスト、ケラス、メルニコフのベートーヴェン《大公》もあり、ファウスト絶好調。すべてキング・インターナショナルの発売です。

ガーディナーの《復活祭オラトリオ》実演がすごかったことは昨年のライプツィヒ訪問記でお伝えしましたが、そのすぐ後(13年6月)にロンドンで録音したのが、この一枚。現地で接した究極の完成度が記録されており、バッハ・アルヒーフの名誉総裁となったガーディナーが、いよいよバッハ演奏の頂点を極めたという感があります。この名演奏が、合唱のトップがソリストを務めるコンチェルティスト方式によって達成されていることは、ぜひ強調しておきたいと思います。

話は変わりますが、数年前の「キングズ・バウンティ」というRPGを引っ張り出して、このところやっています。コンセプトといいグラフィックといい、本当にすばらしいゲームです。

主人公はいろいろな国に赴いて冒険してゆくのですが、そこにはお姫様や名物女性がいて、妻にすることができる。妻は装備品のスロットをもっていて主人公を強化できますし、ボーナス付きの子供を、4人までもつことができます。離婚結婚を繰り返した方が地域の戦闘には有利になるのですが、別れのやりとりをしなければならず、ちょっと辛いです。

とりわけ美しいのはエルフのお姫様。たいていはこの人で、最後までやってしまいます。この女性がスロットに入ると、射手だのドルイドだのスプライトだのといったエルフの軍勢の士気が劇的に上がり、射程が長くなったり、クリティカルを連発したりする。

ああこれだ、と思いましたね。ガーディナーが指揮をするコンサートがめざましいのは、演奏者、とりわけ合唱の士気がものすごく高いからです。たとえばバスのパートを、ハーヴィーのような名歌手が、闘志満々で牽引している。ガーディナーのバッハがすばらしい最高の要因は、ここにあると思います。上から指導するのでなく、下から生命力を吸い上げているのです。すごいですね。

コメント

_ Figaro ― 2014年07月26日 09時39分39秒

ガーディナーのバッハとRPGをリンクさせて、何の違和感もなく語れるのは、おそらく教授ならではでしょうね。もっとも私どもには、「クリティカル」とか「ボーナス付きの子供??」などといっても、ちんぷんかんぷんですが(笑)。

_ I招聘教授 ― 2014年07月27日 09時15分49秒

一応説明させてください(笑)。「クリティカル」というのは「クリティカルヒット」の略で、一撃で2倍のダメージを与えること。「ボーナス付きの子供」というのはたしかに変ですが(笑)、子供は何らかの特典付きで生まれてきて、ヒーローの能力値のどこかを高くしてくれるのです。攻撃値をもっている子供とか、魔力を高める子供とか。ただスロットを占有しますから、生ませるか、生ませざるかが判断になります。面白いですよ。

_ Figaro ― 2014年07月27日 13時57分26秒

お忙しい中、御親切にご説明をありがとうございました!
でも、わかったような、わからないような(笑)。

_ 優@1&4&6&7&14&25&32 ― 2014年07月28日 00時52分58秒

ご無沙汰しております。「ヨハネ」をはじめ最近のガーディナーのバッハは素晴らしいですね。「復活祭オラトリオ」も是非聴いてみます。
ところで先ほどYou Tubeで観たヴォーカルコンソート・ベルリンのバッハのモテット。演奏技術もさることながら、その突出した表現力は素晴らしいものでした。今まで聴いたモテットの中で最高だと思いました。

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