逆戻り2016年06月12日 18時04分15秒

昨日のスポーツ新聞に、「巨人、五割に逆戻り」と出ていました。

好きではあるが、ずっと不思議に思っていたのが、この「逆戻り」という言葉です。単に「五割に戻る」じゃ、なぜいけないんだろう。意味上、「逆」は必要ない。それなのについているには、強めの働きだろうか。たしかに効果的ではあるが・・などと、いつも思っていたのです。

ふと気がついたのが、この言葉の不可逆性です。勝ち越していたのに五割に落ちてきたのであれば「逆戻り」と言うが、負け越していたチームが五割を回復した場合には、「逆戻り」とは言わない。望ましくない方向に戻るのが「逆戻り」であって、望ましい方向に戻る場合は「逆戻り」ではない、ということのようです。

そこで『新明解国語事典』を引きました。「以前の場所や好ましくない状態にふたたび戻ること」だそうです。なるほど、すっきりと理解できました。

そうすると、今日は「巨人、借金生活に逆戻り」となるわけですね。日本語の話題をお届けしました。

コメント

_ 自称職業不詳 ― 2016年06月12日 23時27分53秒

こちらではご無沙汰しております。

これとよく似た言葉に、最近流行りの「真逆」というのがありますね。先生もお好きなようで、時折お使いになっておられるのを目にします。

私としてはこの言葉の有効性?に疑問があります。というのも、「逆」とは、そもそも反対方向≃180度なのだから、「やや逆」とか「半逆」というのはありえないので、「真」はいらないのではないかと思うからです。

などというと、「真」は単に強調を表しているとか、逆にも程度があって、ぴったり180度でなくても、170度くらいでも逆と言うが、真逆はちょうど180度のことなのだという意見が聞こえてくるようです。確かにそうかも知れません。だいたい逆というと-170度〜+170度くらいで、真逆というと-178度〜+178度くらいなのでしょうか?

それに昔から「まっさかさま」などと言います。これも「さかさま」は反対のことなのだから「まっ」はいらないような気もしますが、やはり単なる強調でしょうね。これ、真逆と根が同じ、どころか字も同じ、ですね(笑)。

何が言いたいのか分からなくなりましたが、「逆戻り」で思い出したので書き込んでみました。この際「真逆戻り」というのも面白いかも?

_ I招聘教授 ― 2016年06月12日 23時41分28秒

自称職業不詳さん、ありがとうございます。面白いですね。日本語の話題を提供したことを裏書きしていただき、わが意を得た思いです(笑)。

_ Goch ― 2016年06月13日 08時49分50秒

久し振りに、性格の悪い人間に逆戻りしましたね。

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