新読書法実践中2008年04月29日 22時15分01秒

成毛眞さんの『本は10冊同時に読め!』(4月21日参照)に触発されて、3冊の本を平行して読み進めることにしました。これ、案外いい方法ですよ。

3冊は同時購入するのがよく、その場合、すべて別ジャンルから選びます。私はミステリーを読み始めるとミステリーばかりになり、無名の友人、齋藤正穂君などに比べて知識が狭いきらいがありましたから、必ず別ジャンル、というノルマ設定は有効。読み始めたら、どんなに面白くても、1章ごとに別の本に移るようにします。そうすると緊張感が持続し、結果的に、速く読めるのです。

先週末の3冊は、羽生善治『決断力』(角川)、夏樹静子『光る崖』(光文社)、中川右介『カラヤン帝国興亡史』(幻冬舎新書)でした。松本清張を読み尽くした今、以前からファンだった夏樹静子に回帰していますが、『光る崖』、続いて手に取っている『白愁のとき』、どちらもたいへんいい。丁寧に、綿密に仕上げられていて、女性の心理描写など、心に迫るものがあります。夏木さんのミステリーは、最後にどんでん返しが(場合によっては二重に)あるものが多く、こちらもそれを想定して読み進めるのですが、『光る崖』では話が完全に終息に入っているのになお多くのページが残されており、これでどうなるのかと、興味津々。要するに、大きな年譜がついているのでした(笑)。

カラヤンのも面白かったですね。膨大な情報をもとに簡潔かつスピーディーに記述されていて、事柄そのものに語らせる手腕が巧み。私にとってはもはやまったく過去の存在であるカラヤンですが、自分のクラシック体験史(基本的にアンチ)を振り返りながら読みました。

コメント

_ BIN★ ― 2008年05月01日 11時19分19秒

10冊は無理だと思っていました。3冊・・・なるほど。羽生さんの本は、ご本人が稀代の勝負人だけに、思わず書棚に手が伸びました。「ほしい」と思いましたが、衝動買いした本がいくつもたまっていましたので、立ち読みで次の機会にしようと思いました。『カラヤン帝国興亡史』は・・・なんか結論が見えていそうで、手にとらずにパスしてしまいました。『金色のソナタ』とか、『フルトヴェングラーか、カラヤンか』のような内容かなと思ったからです。日記の(基本的にアンチ)という語句に思わず反応してしまいました。NHKの番組でカラヤンが取り上げられることもあり、CDをごそごそと取り出して聴きました。運悪く、ブランデンブルグで、しかも旧盤。1960年代最後のころの録音でしたが、音がきれいです。しかし、リズムをしっかり刻んでくれないのがつらくて・・・おなかにもたれてきて・・・音のきれいさだけでは、楽しめませんでした。松本清張全クリに心からの敬意をもちました。

_ I教授 ― 2008年05月01日 23時50分13秒

いつも中味のあるレス、ありがとうございます。結論が見えているといえばそうなのでしょうが、あらためて通読すると、引き込まれました。私のように音楽と人間をリンクさせたい者からしますと、本心を語らず外面を整える人が演奏界の頂点に立ったことに考えさせられます。《ブランデンブルク協奏曲》は、当然のご感想だと思います。

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