基礎ゼミで《フィガロ》2009年04月06日 23時07分00秒

私の大学では、入学式のあと、「基礎ゼミ」という新入生向けの特別企画を、2週間近くにわたって行います。私はその総合企画者で、2つあるレクチャーコンサートの第1回を仕切るのが、習いになっています。

このコンサートには、「くにたちPhilharmoniker」という教員+卒業生+学生のオーケストラが出演します。最近はその後半を、歌の先生たちを交えてのオペラとすることが定着しました。ガラ・コンサートとして得意のアリアを披露していただく方法もあるのですが、私はやはり作品をきちんと体験する機会とすべきだと考えて、なるべく1つの幕を流れとともに聴いてもらうようにしています。今年は、《フィガロの結婚》の第4幕を採り上げました。これは、2006年の第2幕、2008年の第3幕に続いてのものです。

ご承知のように、《フィガロの結婚》第4幕は5つのアリアのあとにアンサンブル・フィナーレが続くという、特異な形をしています。筋は複雑の極み。短い時間で解説することは至難の業です。

そこで私は、アリアを簡単な解説をはさんで進め(セッコはなし)、フィナーレの前に、登場人物たちにインタビューするという方法を試みました。インタビューを通じてそれぞれの人物の個性を印象づけ、彼らがどういう立場や心境にあるのかを要約し、併せて複雑なフィナーレへの手引きとなるように考えて、台本を作りました。

芸達者な先生たちですから皆さん上手にやってくださいましたが、とりわけ大プリマ、大倉由紀枝さん(伯爵夫人)との対話は二転三転して面白かったので、ここでご紹介したいと思います。(続く)

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